「あれをかばってあげるのがピッチャー」戸郷が味方のエラー責めず…8回2失点も3敗
◆日本生命セ・パ交流戦 巨人0―2オリックス(7日・東京ドーム) 巨人がオリックスに敗れ、セ・リーグ首位から陥落した。先発の戸郷翔征投手(24)は8回2失点にまとめたが打線の援護なく3敗目。自身の交流戦連勝は6で止まった。 【ハイライト動画】巨人の先発・戸郷翔征が8回2失点で3敗目 打線は2安打でゼロ封負け * * * 戸郷の執念だった。0―2の8回もマウンドに上がり、味方を信じて腕を振った。東を見逃し三振。中川を二ゴロ。西野の打球を自ら捕って一塁へ送球し、投ゴロ。ベンチでは息を吐いた。8回108球、5安打2失点。今季7度目、3試合連続のハイクオリティースタート(HQS=7回以上自責2以下)も打線の援護に恵まれず交流戦の自身の連勝は6でストップ。今季3敗目を喫したが「厳しい展開だけどゼロで抑えないとチームに勝ちはこない」とエースとして、責任を負った。 初回、西野の打球を中堅手・ヘルナンデスが目測を誤り前進し、中越え三塁打となり、2死三塁。西川の右前適時打で先制を許したが「あそこで点を与えてしまったのはピッチャーの責任。あれをかばってあげるのがピッチャー。僕の踏ん張りが足りなかった」と言い訳をしなかった。4回にも紅林に左翼へのソロで追加点を許したが、5回以降はパーフェクト。最速150キロの直球に宝刀フォークなどで8三振を奪う力投を阿部監督も「悪くなかったと思う。先発の最低限の仕事はしてくれた」とたたえた。 チームの日本一はもちろん、MVPなどタイトルも狙う今季。「開幕戦は勝ちがついたけど、その後は勝てずに焦った」と本音をこぼした。「最初は理想と違って思わず感情的になって、子供だった。感情の浮き沈みが力みになっていた」と振り返る。その後は時間を見つけては過去の投球を長い時には2、3時間見返して「前足の踏み込みが弱かった」と細かな修正にも取り組んできた。「自分がやってきたことは間違いないと信じて。何よりもチームに勝ちがつくことが一番」。焦る気持ちは消え、この日も淡々と腕を振った。 「一つの配球ミスが失点につながるので、一試合一試合大事にしていきたい」と右腕。どんな時でも己の仕事を全うするのがエース。さらなる高みを目指し、次こそチームに勝利をもたらす。(水上 智恵)
報知新聞社