残業したくない!残業続きの毎日を脱するための対処法を伝授します
残業を減らすための効果的な対処法
職場が変わらないかぎり残業削減につながらないことも多いものですが、個人の工夫によって残業時間を減らすことは可能です。有効な方法をご紹介します。 ◆「朝・夜メール」を活用し、生産性を高める 仕事の効率化を図るには数々の方法がありますが、中でも効果が高いのが「朝・夜メールの活用」です。これは朝の始業時に「朝メール」で1日の業務予定を立て、上司・同僚に共有します。 終業時に「夜メール」で振り返ることで時間の使い方や業務の進捗を「見える化」する手法です。「メール」としていますが、チャットツールを使ってもOKです。 仕事の始まりに、1日の業務を組み立てる際には「行う時間帯」「所要時間」も設定。仕事の終わりに予定通り進んだかどうか、予定が狂ったのであれば何が原因かを検証します。これにより、予定とのズレや突発的に発生する業務を認識でき、課題を把握しやすくなります。 すると「この時間帯は電話が入りやすいので集中力が必要な作業は入れない」「○○さんに相談するなら、この時間帯に対応してもらいやすい」といったことが分かってきて、業務を時間内に収めるコツがつかめるのです。 何に時間がかかっているかも可視化すると、自身に足りないスキルに気付くこともでき、自己研鑽目標も立てられるでしょう。この「朝・夜メール」を実践しただけで1~2割の残業削減につながったケースが多数あります。 ◆「期日」を確認し、優先順位を明確にする 若手のうちはまだ「交渉力」が十分身に付いていないこともあり、上司の指示にただ従うだけになってしまうこともあります。「これやっといて」と仕事を振られた場合にも、そのまま受け取ってしまう。進行中の仕事を中断し、効率が落ちて残業が発生するといったことが起こりがちです。 しかし、「すぐに対応しなくては」というのは思い込みであるケースも多いもの。「期日」を確認するとともに、「今日はこの業務に集中したいので、明日でもいいですか」「この業務とこの業務ではどちらの優先順位が高いですか」など、勇気を出して相談・交渉をしてみましょう。 ◆「雑談」の機会を増やし、職場の「心理的安全性」を高める 残業が発生する原因は多様ですが、実はその多くは職場の「心理的安全性」を高めることで改善できる可能性があります。 「心理的安全性」とは、組織内でどのような発言をしても拒否されたり罰せられたりすることなく、率直に自分の考えを発信できるという安心感が持てる状態を指します。 「うちの職場のメンバーは仲がいい」と思っていても、実はコミュニケーションが表面的になっていてお互いをよく理解していないことは多いようです。それゆえに本音を言いづらく、「忖度」「配慮」に余分な時間を使い、長時間労働を招いています。 心理的安全性が高い職場では、自分で考えて判断して行動を起こしていけるため、忖度や配慮といった時間のロスがありません。「皆が残業しているので先に帰りづらい」といった雰囲気にもなりづらいでしょう。 では、組織の心理的安全性を高めるにはどうすればいいか。さまざまなビジネス書でノウハウが紹介されていますが、効果的な方法の一つが「お互いの『人となり』を知る雑談」です。 実践の一例としては、会議開始前のアイスブレイクとして、業務と関係ないテーマで一人一言ずつ話す時間を設けます。 例えば、「今まで行った旅行先でもう一度行きたいところ」「クリスマス(正月、夏休みなど)で印象に残っている出来事」など。こうした雑談では、その人が感情を動かすポイントや大切にしている価値観などが分かり、「人となり」を知ることができます。 ある企業のアイスブレイクで「おすすめのお菓子」を話題にしたことがありました。すると、威厳ある風貌の管理職の方が「これなんだ」とポケットから取り出したのがイチゴのチョコレート。メンバー一同、そのギャップに驚きました。「こんなチャーミングなところがある人なら、こういう相談をしてもいいかも」と、心理的なハードルが下がったかもしれません。 このような「雑談」の機会をチーム内で増やす工夫をしてみてはいかがでしょうか。関係を築くことで率直な意見を言える環境ができれば、ムダな残業の削減につながります。