乱闘寸前の騒動もあったリネール 金メダル獲得直後に韓国選手を気遣う振る舞いに脚光「これがスポーツの美しさ」【パリ五輪】
3度目の戴冠を果した英雄の振る舞いが話題となっている。 現地時間8月2日、柔道の男子100キロ超級決勝で、地元フランスのテディ・リネールが、世界ランク1位のキム・ミンジョン(韓国)に払い腰で一本勝ち。2012年ロンドン、16年リオデジャネイロ大会に続いて、金メダルを手にした。 【画像】ドラマ相次ぐパリ五輪の「悲喜こもごも」を厳選フォトでチェック! トリコロールの旗が揺らめいた会場は、鮮やかな一本勝ちに国内は熱狂した。準々決勝でジョージアのグラム・ツシシビリと衝突し、乱闘騒動に発展しかねない緊張の戦いを制していたこともあり、観客は35歳のベテランの勝利に沸いた。 健在ぶりをアピールしたリネールの“ある振る舞い”が国際的に注目を集めた。それは決勝戦後に見せたそれだ。 完璧な払い腰で大一番を制したリネールは、感慨深げに笑みを浮かべて試合後の慣例となっている礼をする。そして、直後にうつむくキム・ミンジョンの下に歩み寄ると、健闘を称えるように抱擁。さらに相手の左手を高々と突き上げ、会場に声援を送るように促したのだ。 この行動について試合後に問われたリネールは、「ここにいる選手たちは全員がよく戦ったと思うし、彼も強い相手だった。美しい試合をしてくれたことに感謝がしたかった」と説明した。 ライバルを称える敬意に溢れた行動は、韓国でも話題沸騰となった。日刊紙『朝鮮日報』は「負けた瞬間は悔しかったが、光栄だった」とするキム・ミンジョンのコメントを伝えた上で「これがオリンピック精神であり、スポーツの美しさである。それをフランスの伝説が見せてくれた」とリネールを絶賛した。 頂点に立ってもライバルを称える。リネールの堂々たる振る舞いに、絶対王者の“格”を見た。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]