怪物・福田師王はなぜ高校卒業後すぐ渡独したのか? 1年でボルシアMGのトップに昇格
【ドイツに到着したちょうど1年後の偶然】 その得点シーンは、相手ディフェンスに寄せてボールを奪い、鋭いターンから左足を振り抜いてネットを揺らす、鮮やかなものだった。この得点がトップ昇格の決め手となったかは、「うーん、わからない」とのことだが、次の日にうれしいニュースは届いた。 とはいえ、福田は単に喜んだわけではなかった。 「うれしさは全然で、ここからだなっていう。早くゴールを決めたいなと思っています」 プロとしてのスタートラインに立っただけと、福田が浮かれることはなかった。 トップチームとの契約が公式に発表されたのは1月15日。初めての公式戦となったレバークーゼン戦は1月27日。その日は、福田がドイツに到着したちょうど1年後だった。 (後編につづく) ◆福田師王・後編>>目標はレヴァンドフスキ「クラブのDNAを体現する存在」になる 【profile】福田師王(ふくだ・しおう)2004年4月8日生まれ、鹿児島県鹿屋市出身。神村学園中等部時代にDFからFWへのコンバートをきっかけに頭角を現し、高等部時代は3年連続して高校選手権の優秀選手に選出。卒業後にボルシアMGⅡに加入し、2024年1月にトップチームへ昇格する。代表歴はU-16日本代表から各世代のカテゴリーを経験。ポジション=FW。身長178cm、体重70kg。
了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko