なぜプロレスを神の目前で 教会に救われた男の想い
All Nippon NewsNetwork(ANN)
イギリスでは移民や無宗教の増加で伝統ある教会の閉鎖が相次いでいます。教会のピンチに立ち上がったのは屈強な男女でした。 ■なぜプロレスを神の目前で クリスマスムード一色のイギリスの街角。とある週末、イギリス北部の教会には長い列ができていました。教会の近所に住む人たちが続々と集まってきました。しかし、これから始まるのはミサではなく、なんとプロレスです。 教会でプロレス。場違いな組み合わせの裏には深刻な理由がありました。イギリスでは若い世代を中心に無宗教の人が増えているほか、コロナ禍以降、礼拝に訪れる人も減り、この10年で3500以上の教会が閉鎖の危機にあるといわれています。 そんな協会の窮状に立ち上がったのが、あるプロレス団体でした。 「キングダム・レスリング」代表 ギャレス・エンジェル選手 「教会の建物はご覧の通り壮大で、音響も大画面も照明もあり、レスリングショーに完璧です」 キングダム・レスリングは2年前から教会を中心に試合を行っています。 ■教会に救われた男の想い 実は、代表のギャレス選手は教会に救われた過去がありました。 「キングダム・レスリング」代表 ギャレス・エンジェル選手 「幼い頃、父が家を出ました。母はアルコール依存症で、私は性的虐待を受け、学校ではいじめられました。15歳でホームレスになりました」 そんな時、教会で出会った牧師のサポートによって立ち直ることができたと言います。 セント・ピーターズ教会 シモンズ牧師 「主なる神よ、ここにいる皆さんに祝福お願い申し上げます。彼らがレスリングの喜びと楽しさを知ることができますように。イエスの名のもとに、アーメン!」 リング上で牧師が祈りをささげると、いよいよ試合開始です。普段は厳かな雰囲気の教会にファンの声援がこだまします。 観客 「以前、洗礼を受けたことがあるがプロレスをきっかけにもう一度受けようかと思い始めました」 実は、プロレスとキリストの教えには意外にも共通点があるといいます。 セント・ピーターズ教会 シモンズ牧師 「プロレスは『善と悪』の物語です。それがキリスト教と人間性の本質でもあります。私たちがどのように試練を乗り越えるかを示しています」 キングダム・レスリングが試合を行った教会には礼拝に参加する人も増え、新たに30人以上が洗礼を受けたそうです。 「キングダム・レスリング」代表 ギャレス・エンジェル選手 「いつも日曜礼拝に来ない人たちにも届くようで双方にとってウィンウィンの状況です」
テレビ朝日