米ULA、新型ロケットを「迎撃ミサイル」に–衛星など壊す「サテライトキラー」を阻止
米United Launch Alliance(ULA)は新型ロケット「Vulcan Centaur」(ヴァルカン・セントール)を宇宙防衛用途として位置付ける構想を明らかにした。 Vulcan Centaurの第2段エンジン(上段)「Centaur」(セントール)は、軌道上での運用を目的に設計されているという。ULAで最高経営責任者(CEO)を務めるTory Bruno氏は、このCentaurを改良し、軌道上で防衛機能を果たす「迎撃ミサイル」として活用する可能性に言及している。 Bruno氏によれば、衛星など他の宇宙機を損傷したり、妨害したりする「サテライトキラー」と呼ばれる衛星が存在しており、十分な推進力とエネルギーを持ったCentaurがこれを妨害するというアイデアを明かした。現在の衛星では目標到達に数日から数週間を要する一方、Centaurなら数時間でサテライトキラーを阻止できるという。 「これは、稲妻のように高速で長距離を移動できる迎撃ミサイルを意味する」とBruno氏は述べている。「海軍の比喩を用いれば、宇宙での駆逐艦、すなわち『宇宙のグレイハウンド』が必要なのだ」 Vulcan Centaurは10月、2回目の認証ミッションを成功。ULAは2024年末から2025年初頭に米宇宙軍との初の国家安全保障ミッションを予定している。
塚本直樹