大谷翔平選手がホームランを打つと「日経平均株価」が上昇!? …「景気回復」を示唆する“身近なデータ”【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】
「最速大関昇進」は「景気拡張局面」の予兆!? 意外な関連性
2000年6月7日生まれの24歳、関脇・大の里(二所ノ関部屋)が秋場所で13勝2敗となり、2度目の優勝を手にしました。同一年に関脇以下の力士が2度優勝するのは92年初場所・秋場所の貴花田以来です。大関昇進目安を1つ上回る三役で3場所34勝を挙げ、大関昇進を諮る臨時理事会の開催が決定し、9月25日に「大関・大の里」が誕生することになりました。 初土俵から所要9場所での昇進となれば、戦後では豊山と雅山のともに12場所を抜いて最速となります。大関昇進直前の3場所が12勝・12勝・13勝と連続して好成績。豊山の大関昇進は昭和38年(1963年)1月場所後で、オリンピック景気の拡張局面でした。 雅山の大関昇進は平成12年(2000年)5月場所後で、こちらも景気拡張局面でした。国技の大相撲で、将来有望とみられる若い力士の活躍は世の中を元気づけ、景気もよくなるのでしょう。今回の大の里の最速の大関昇進からみて、いまの景気は拡張局面といえそうです。 優勝を決めたのは、秋場所14日目の大関豊昇龍との結びの一番で、懸かった懸賞本数は制度の上限とされる60本に、東京開催場所だけ当日のファン投票第1位に贈られる森永賞を合わせた61本でした。師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は取組に勝って61本の懸賞を2度受け取ったことがありますが、弟子の大の里も61本の懸賞金の束を受け取りました。 秋場所千秋楽のNHK優勝インタビューで、正月の地震に続き、豪雨被害で大変な地元の石川県について聞かれると「大変な状況になっているのを昨日ニュースで見てびっくりした。絶対優勝を決めて明るい話題を届けたいと思っていたし僕の優勝で元気になってくれれば」と話しました。また、大関昇進が確実になったことが伝えられると「たくさん稽古をして上に向けて頑張りたい。強いお相撲さんになるために日々頑張りたい」と意気込みを示しました。 「大相撲秋場所懸賞本数2,455本」で史上最高。前年比は+5.6% 大相撲秋場所・懸賞事前申込本数は、2,628本でした。昨年秋場所前の9月8日に当時の芝田山広報部長が「コロナ前の水準に戻ってきている」として発表した事前申込本数は2,154本だったので、年6場所全すべてを通じて今年は過去最高でした。 秋場所は、実績も過去最高だった昨年同場所の2,325本を更新し2,455本になりました。企業収益の好調さ、広告費の増加を示唆しているといえるでしょう。なお、前年同場所比は+5.6%と、7場所連続前年比増加となりました。 秋場所優勝の関脇・大の里、獲得懸賞は277本で第1位に 今年の秋場所で一番多く懸賞を獲得したのは、優勝した関脇・大の里の277本で2人の大関を上回りました。第2位は大関・琴桜の265本、第3位は大関・豊昇龍の253本でした。