大谷翔平選手がホームランを打つと「日経平均株価」が上昇!? …「景気回復」を示唆する“身近なデータ”【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】
“景気の予告信号灯となる身近なデータ”は、話題に事欠かない大谷翔平選手の活躍や大相撲秋場所の戦績のなかにも隠れています。本稿では、2024年9月時点で注目を集めたスポーツ等の出来事をエコノミスト・宅森昭吉氏が振り返り、一見すると景気とは無関係にも思える出来事と、景気動向との意外な関連性をデータから紐解いていきます。 【早見表】毎月1万円を積み立て「預金」と「NISA」を比較…5年~40年でどれくらい差がつくか
大谷選手がホームランを打った日の日経平均株価上昇割合(株価変動比率調整済み)は6割超
9月19日(日本時間20日)にマイアミのローンデポ・パークで行われたドジャース対マーリンズの試合は20-4で、ドジャースが勝利しました。大谷翔平選手は「1番・DH」で先発出場し、ホームラン3打席連発を含む6打数6安打10打点2盗塁の大暴れ。メジャー史上初の「50-50」からの「51-51」を達成しました。また、ドジャースは12年連続プレーオフ進出を決めました。 マーリンズの本拠ローンデポ・パークは昨春WBC決勝が行われた球場で、大谷“投手“がマイク・トラウト選手を空振り三振に仕留め、日本を世界一に導いた思い出の地です。その球場で新たな球史を刻みました。また、23年9月19日は2度目の右肘手術を受けた日で、そのちょうど1年後、「51-51」を達成したことになります。 大谷選手はホームのドジャースタジアムに戻った翌日の20日のロッキーズ戦で「52-52」を達成し、22日(日本時間23日)のロッキーズ戦で「53-55」に到達しました。 大谷翔平選手のメジャー史上初の「50-50」達成は、多くの人々に元気と勇気を与えたと思います。「50-50」からの「51-51」を達成した20日(日本時間)の日経平均株価は前日から568円58銭上昇しました。 今年は、9月23日現在、大谷選手がホームランを打った日に、日経平均株価が上昇したのは16回、下落したのは11回、土休日が22回になり、大谷選手がホームラン打った日の日経平均株価上昇割合(上昇回数÷(上昇回数+下落回数)×100(%))[土休日を除く]は59.3%でほぼ、6割になりました。 エンゼルス時代の最近3年間の大谷選手がホームラン打った日の日経平均株価上昇割合は21年34.5%でしたが、「読売新聞スポーツ世論調査」の好きなスポーツ選手第1位になった22年は52.9%に上昇。大谷選手1位獲得票-2位獲得票の票差が366票と22年の232票から増加した23年は、ホームラン打った日の日経平均株価上昇割合が65.5%に上昇していました。なお、24年の票差は558票です。 最近4年間のシーズン中(3月末から9月末で計算、24年は20日現在)の日経平均株価は上昇した年が21年・23年、下落した年が22年・24年とマチマチです。 上昇基調の年は上昇割合が高くなり、下落基調の年は上昇割合が低くなりやすいと思われ、この影響を除去するために、株価変動比率調整済み・日経平均株価上昇割合(上昇割合÷3月末から9月末(2024年は20日)日経平均上昇比率)を求めました。 23年は65.5÷1.136で57.7%、24年は59.3÷0.934で63.5%になります。今年は、大谷選手の活躍が日経平均株価にとって、明るい材料になっているようです。