伊藤みどりがフィギュア男子の推しに「もっと爆走してほしい」 バックフリップ解禁についての見解も示す
【ランボルギーニ! あだ名のついている選手って、好き】 そして私のイチオシは三浦佳生君。私、あだ名がある子って好きなんです。私も「津波ガール」とか「台風ガール」とか、いろんなあだ名をつけられましたが、三浦君は「ランボルギーニ」。ジャンプを成功したときの爽快感が魅力的で、もっと爆走してほしいくらいです。 ただ、今は力が余りすぎて、ジャンプを力のままに跳んでいますね。助走まではランボルギーニでいいけれど、跳んだ瞬間は力をコントロールできるようになれば、一気に安定感が出てくるでしょう。 ジャンプがすばらしいぶん、今季は滑りや演技力をブラッシュアップするシーズン。フリーの『シェルブールの雨傘』は、ジャンプとジャンプのつなぎで情緒的な表現力が求められる曲です。彼の持ち味であるランボルギーニさをあえて抑え、雑さが出ないように滑ることを1シーズン心がけることで、実力も上がっていくと思います。 【佐藤君は急成長中! 空中姿勢が美しい】 また今季、一番の成長を感じさせてくれるのが佐藤駿君です。スケーティングがとてもきれいになりました。夏場にモントリオールのアイスダンサーのもとで基礎の練習をしたことで、滑り方が別人のように変わった印象です。とくにフリーレッグの位置や伸ばし方、足先の置き方、そして上半身の姿勢がとても美しいです。 そして姿勢がよくなったことで、ジャンプの質もさらによくなりました。空中姿勢が、背中側に軸があってピンとしている。着氷では誰もが前かがみになりやすいのですが、佐藤君は美しい姿勢のまま降りてきます。だからこそ、着氷の瞬間にお腹に力を入れていないと、勢いに負けてバタンと後ろに転んでしまう。GPシリーズ・スケートカナダのフリーで転んでしまった理由は、そこでしょう。 そして佐藤君は今季、4回転ルッツとフリップをフリーに入れています。佐藤君はトー系が得意なタイプですね。彼が注意するべきは4回転トーループ。彼にとって4回転トーループは力を抑えて跳ぶため、力加減が難しいのですが、そのコントロールが身につけば怖いものなしです。