米のイスラム団体、トランプ人事に失望 親イスラエル派起用で
Andrea Shalal [ワシントン 14日 ロイター] - 先の米大統領選で共和党のトランプ氏を支持した米国のイスラム系団体の指導者の間で、トランプ氏が新政権でイスラエル寄りの人物を次々と起用していることに失望が広がっている。 トランプ氏は外交トップの国務長官に、イスラエルを全面的に支援するマルコ・ルビオ上院議員を指名した。ルビオ氏は以前、パレスチナ自治区ガザでの停戦を求めない考えを示したほか、イスラエルはイスラム組織ハマスを「徹底的に」破壊すべきであり、「彼らは狂暴な動物」と述べている。 またトランプ氏は、次期駐イスラエル大使に元アーカンソー州知事のマイク・ハッカビー氏を、次期国連大使にエリス・ステファニク下院議員を指名するなど、要職に親イスラエル派を次々と起用している。 トランプ氏のこうした人選について、ペンシルベニア州で「アバンドン・ハリス(ハリスを捨てろ)」キャンペーンを主導し、「ムスリムズ・フォー・トランプ」の共同設立者でもあるフィラデルフィアの投資家、ラビウル・チョウドリー氏は、「トランプ氏はわれわれのおかげで勝利したのだが、次期国務長官などトランプ氏の人事に不満を感じている」と述べた。 アメリカ・ムスリム・エンゲージメント・エンパワーメント・ネットワーク(AMEEN)のレクシナルド・ナザルコ事務局長も、イスラム系有権者は平和に向けて取り組む閣僚が選ばれることを期待していたが、その兆しは見られないと指摘。「非常に失望している。和平や反戦運動の面でトランプ大統領は失敗している」と落胆を隠さなかった。