【バレー】NECレッドロケッツ川崎・柳田光綺コーチ ロングインタビュー「言葉で伝えるのって難しい。でも力になる言葉を届けたい」 SV女子
バレ-ボールSVリーグが開幕する。 この新たな舞台に挑むのは選手たちだけではない。スタッフもまた、未知の世界へ足を踏み入れることになる。 チームを長く支えてきたスパイカー・柳田光綺もその一人だ。昨シーズン惜しまれつつ現役を引退。今季からは立場を変え、NECレッドロケッツ川崎のコーチとして選手と共に戦う。 サマーリーグ東部大会は、柳田光綺のコーチとしてのデビューになった。その最終戦後に話を聞いた。 ――コーチとして今回が初めての公式戦になりましたね。試合に臨んで感じたことは? 柳田:スタッフとしてどうやって選手にアドバイスをするか。大事なポイントについて短くインパクトのある言葉でしっかり伝えることがコーチの仕事だなと思いました。 そこがまだ試行錯誤の最中といいますか、選手に上手く届けられたものがなかったと感じています。 でも、それは今後の自分にとっては伸びしろになるところでもあるのかな、と。 劣勢だったり、ここで1点ほしいという時に選手の時はプレーでなんとかしてきましたが、今度は自分がコートに入らない状況でどうやって選手に1点を取らせるか。そのための言葉や伝える難しさ。自分が動くのではなくて、人を動かす難しさというのをすごく実感した大会になったなと感じています。 ――コーチ業に邁進されているとは思いますが、ふとした瞬間に「なんで私はこっち側にいるんだろう」とか、そういった違和感を感じたりは? 柳田:そうですね…でも、もう1回自分がコートに立つという気持ちは…そこはあまり持っていないので。 でも、先ほども言ったようにここで1点がほしいとか、この1点あれば流れが変わるというタイミングの時に「ああ、私は座っていることしかできないのか」と。 そういう気持ちにはなりましたね。 ――ベンチでパソコンを開いてデータをチェックされている姿を度々目にしました。試合中にPCとにらめっこするのは選手の時にはなかった経験かと思います。データを扱うことについては? 柳田:選手の時はリアルタイムというか気がついたことをその場で伝えたり、それをもとに自分はどう動くか、ということにフォーカスしてやっていました。 データはまた別種のコーチングの材料といいますか、プレーの結果が出た後にデータを元に話すことで選手へ信頼度の高いアドバイスをすることができますね。 そういうメリットはありつつ、データ分析はプレーの事後になりますので、その前のところで必要なことを判断させる。そういうことも大切だな、と思っています。 また、データを見るのもスピードがとても重要だなと感じました。 ――コーチにも分業制があると思いますが、今はどういった部分を担当されていますか? 柳田:データも見ていますが、そこはまた経験のあるコーチもいます。 私の役割としてはプレーヤーに寄り添って、今選手はどういう心境なのか、と想像したり、メンタル的なところで支えになることですね。 試合の展開を見ながら、選手に必要なプレーを気づかせる。そういうことをしています。 もっとも今回のサマーリーグでは「これをやってほしい」というきっちりした括りがあるわけではないので、比較的自由に、気がついたことを選手に伝えているという感じです。
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