前田健太 広島ファンがソワソワする「来オフ復帰」の可能性、チームは「世代交代」を推進
【赤ペン! 赤坂英一】果たして前田健太投手(36)は来オフ、米国から広島に帰ってくるのか。地元のファンは早くも今からソワソワしている。 「もう一度日本でプレーしたいです。最後は日本でキャリアを終えたい」 現タイガースの前田がそう明かしたのは、2024年11月、広島・秋山翔吾がパーソナリティーを務めるラジオ文化放送の年始特番(25年1月3日午後2時30分~放送)の収録の真っ最中だった。 また5月には杉谷拳士のYouTubeチャンネルでも広島復帰の可能性を聞かれ「好きだし愛着もある。オファーをもらえればうれしい」と答えている。今オフには、26年WBCに日本代表で出場したい意欲も語った。 カープの後輩、エース大瀬良大地も前田の復帰を歓迎するはず。かつて広島のチームメートだった頃は、前田率いる「チームマエケン」の自主トレに参加。前田の渡米後も連絡を取り合い、助言を仰いでいる間柄だ。 24年6月のロッテ戦で、大瀬良がノーヒットノーランを達成した際には、前田がすぐさまSNSに祝福のメッセージを投稿。「おめでとう」「俺も負けないように頑張らないと」とつづっていた。 そうした後輩たちとの良好な関係に加え、前田には恐らく、広島という街に特別な思いと愛着があるはずだ。広島出身の私は以前、前田にインタビューした際、もし原爆について何か自分なりの考えを持っているなら、ぜひ聞かせてほしい、と質問したことがある。 前田はこう答えた。 「原爆の日(8月6日)については学校で習ってましたが、自分が広島でその日を迎えてみると、ここにいなければわからないことがたくさんあるんだな、と思いました」 カープ入団1年目の07年、前田は原爆ドームと広島記念公園を訪ねている。平和祈念資料館の中も見学して、被爆者の惨状や肉声を今に伝える資料の数々も目の当たりにした。大阪出身の前田は、球団や周囲の誰かに勧められる以前に、自ら原爆とは何かを自分の目で確かめに行ったのだ。 復帰へのネックがあるとすれば、来年で37歳になる年齢か。カープでは今オフ、野村祐輔(35)が引退、岡田明丈(31)が戦力外、九里亜蓮(33)がFAでオリックスへ、矢崎拓也(29)が現役ドラフトでヤクルトへ移籍した。今後もさらに投手陣の世代交代を推進する方針と言われている。 前田が所属するタイガースとは25年で2年契約が満了となる。その時、前田にカープからオファーは届くのだろうか。
赤坂英一