F1の角田裕毅が無線で侮蔑発言 今月2度目の罰金で690万円科される 本人はSNSで謝罪
RBの角田裕毅がF1オーストリアGPの予選に他のドライバーに対して無線で差別的な意味を含む暴言を吐いたとして同GPの審査委員会は6月29日、罰金4万ユーロ(約690万)を科した。予選のQ1(第1ラウンド)の最後のアタックの直前にピットレーンでキック・ザウバーの周冠有(中国)に割り込まれ、無線で汚い言葉を吐き、周を侮蔑したという。 【動画】割り込まれて憤怒! 角田が周冠宇に暴言を吐いた問題シーン ドライバーとチームとの間の無線の内容は審査委員会も傍聴でき、裁定通知の中で「22号車(角田)がファストレーンに並んでいたところ、他の車両が前方に割り込み、22号車の選手がチームの無線で攻撃的な言葉を使った」とした。いわゆるFワードと呼ばれる不適切な言葉に知的障害者を侮蔑するような単語も含まれていた。 角田は審査委員会の聴取に応じ、「英語が母国語ではないため、セッションが終わるまで使った単語に対する理解が足らなかった」と説明したという。自身のSNSでも「無線での発言について深くおわびします。故意使ったわけではなく、自分でもその正しい意味を完全に誤解していました。今は言葉の意味を正しく理解しています。このような言葉を使う場所ではないし、許されるものではありません」と公に謝罪した。 裁定によると、すぐに謝罪した姿勢を考慮して今季中に同じ行為をしなければ、罰金が半額に免除される執行猶予も付いた。国際モータースポーツ競技規則の20条には「攻撃的、侮辱的、粗野、無礼または虐待的であり、粗野または無礼である、または不快感、屈辱感、不適切感を与えると合理的に予想される、または認識される可能性のある言語(書面または口頭)、ジェスチャーおよび/または記号の全般的な使用」を不正行為として禁じている。 角田は第9戦カナダGPでもレース前の国歌演奏のセレモニーに遅刻したとしてチーム側に1万ユーロ(約172万円)が科されたばかりで、わずか3週間足らずで罰金額が5万ユーロに膨れ上がった。 X(旧ツイッター)でも「差別発言は選手生命に関わることもある」「罰金はあくまでスチュワードの裁定で、RB側の裁定の動きがあるかどうか」と厳しい見方をする投稿もある一方で、「角田くんも、すぐに謝罪をSNSで出すあたり、とても反省してる様子が伝わる」との声もあった。 角田はデビューイヤーから走行中に気が短くなり、暴言を繰り返すことが多いことが何度も指摘され、自省に努めていた。チームの無線は公開されることが前提のため、どんな場合でも言葉は慎まなければならないし、プライベートな時でな他人を侮蔑する発言や行為はしてはならない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]