80歳の父は孫と遊ぶ以外に「やること」がないらしいです…。年金だけで暮らしていける人でも「交流を持つために」働いたほうがいいのでしょうか?
定年を迎えて仕事を退職すると、明確な趣味や予定がない限りは、時間を持て余す方も少なくないでしょう。「やること」がなく、途方に暮れてしまうかもしれません。その場合、心身に影響を及ぼす可能性もあります。 そこで、本記事では生活費のために働く必要はなくても、他者との交流のために働くべきか解説します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
高齢者が他者と交流を持つメリット
定年を迎えて仕事を退職すると、社会とのつながりや他者との交流が希薄になる方は少なくありません。特に高齢者の場合、健康状態や身体機能などに不安があることが理由で、外出をする機会が減る方は多いでしょう。外出の機会が減ると、おのずと他者と交流する機会は失われてしまいます。 他者と交流を持つこと自体に向き不向きはありますが、孤独を感じにくくなるなど、心身に与えるメリットは数多くあります。 ■認知症の予防になる 認知機能の低下、いわゆる認知症は脳の神経細胞が老化することが原因とされています。物忘れがひどくなるなど、日常生活に支障が出るケースも少なくありません。 認知症を予防するには、脳を活性化させる必要があります。脳の活性化には、他者とのコミュニケーションや運動が効果的とされています。誰かと会う約束をすることで、スケジュール管理や目的地への道順を考えるなど、認知機能に刺激を与えるよい機会になるでしょう。 ■コミュニケーション能力の維持 他者との交流、特に会話をする機会が少なくなると、コミュニケーション能力の低下が心配されます。コミュニケーション能力が低下すると、突発的な会話などに対応できなくなる可能性があります。 コミュニケーション能力を低下させないためにも、他者との交流は効果的といえるでしょう。他者との会話は少なからず頭を使うため、認知症の予防にも効果が期待できます。 ■健康維持につながる 老化と共に筋力は落ちるものであるため、高齢者は身体能力が低下しやすくなります。他者との交流がなく、外出せずに自宅にいる時間が多いと、さらに筋力が落ちて身体能力も低下することが予想されます。 他者との交流があれば、外出する機会も増えるでしょう。その結果、おのずと運動につながるはずです。交流によって運動習慣が身に付けば、健康維持にも貢献するでしょう。