激白!なぜエ軍のローレンゼンは大谷翔平に続く“二刀流”挑戦を決意したのか…「ショウヘイが結果を出してくれたおかげだが、誰もが彼になれるわけではない」
地道な訴えが実り、2021年には、本格的な二刀流挑戦が予定されていた。 「先発に回ることが決まったから、先発の次の日は休み。2日目、3日目は守備固め、代打、代走要員として待機し、登板前日は休み、というシナリオまでは決まっていた」 そのチャンスは春先に肩を痛めてフイにしてしまったが、来季、エンゼルスでそれが実現する可能性がある。具体的な起用方針については、「ロックアウトになったから、話ができなくなってしまった」そうだが、契約直後にジョー・マドン監督と話した際の内容をこう明かす。 「基本的には先発で、ということだけど、監督からは、『制限を設けない。クリエイティブな起用を考える』と言われた。だから彼には、外野手として、打者として、走者として、そしてもちろん先発投手としてしっかり準備すると伝えた」。 すでに二刀流での起用は既定路線。とはいえ、大谷のような先発投手/指名打者ではなく、先発以外は、ユーティリティ選手のような役割を想定する。それでも、「大きな進歩だ」とのこと。 「5年前なら、やはり考えられなかった。ショウヘイが、結果を出してくれたおかげ」 大谷にしても、本当の意味で周りを認めさせるまで4年かかったが、無理だ、という先入観にようやく風穴が開き、各チーム、登録枠に柔軟性が生まれる点など、二刀流のメリットにも目を向け始めた。 とはいえ、「まだまだ、これから」とローレンゼン。「二刀流をどう起用すべきか、どこも試行錯誤している」。大谷が必ずしも道標になるわけではない。 「ショウヘイは別格だから。いい打者はたくさんいるけど、誰もがバリー・ボンズになれるわけではない。今後、二刀流に憧れる選手は増える。そして、二刀流として、いい選手にもなれるかもしれない。でも、誰もが大谷になれるわけではない」 それでも、“時代の波”は感じているそうだ。 「野球界っていうのは、基本的に保守的。革新的な考えはなかなか生まれない。でも、誰かがその殻を破って成功すれば、遅れまいとみんな続く。何年か前にベン・ゾブリストがユーティリティ選手としての地位を確立すると、他のチームもユーティリティ選手の育成に力を入れたように。だから、このチャンスを逃したくない。自分も結果を出せれば、もっと多くの選手が続く」