米大統領選、激戦7州有権者の投票行動を探る-異なる経済状況が鍵
(ブルームバーグ): 2024年米大統領選を巡り、両陣営や専門家は過去数カ月、勝敗を左右する激戦州7州での投票行動の手掛かりとなりそうな世論調査や各種データを分析してきた。その中でも特に有権者の行動に影響を与えるのは7州それぞれの経済状況だろう。
米経済は全体としては、新型コロナ禍による不況から目覚ましい回復を遂げてきた。過去1週間で発表されたデータからは、ハリケーンや労働争議といった一時的要因が労働市場に影響を与えたものの、粘り強い成長が継続したことが示された。
しかし、激戦州7州それぞれの経済状況はより複雑な様相を呈している。同7州は計6100万人の人口を抱え、その経済規模はドイツの国内総生産(GDP)に匹敵する4兆4000億ドルに上る。
アリゾナ、ジョージア、ノースカロライナ各州では、投資と人口流入を原動力とした急速な成長がみられた。一方でラストベルトとも呼ばれるミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンの3州では、成長は勢いを欠いてまだら模様であり、人口減少に直面する郡もある。ネバダ州では、新型コロナ禍が観光産業に与えた打撃がなお重くのしかかっている。
激戦州を対象にブルームバーグ・ニュースとモーニング・コンサルトが実施した世論調査では、有権者は一貫して経済を最優先課題として挙げてきた。
経済面で最も信頼する候補者は誰かという設問では、共和党トランプ前大統領が今年の大半にわたって複数の世論調査でリードしてきた。しかし、ハリス副大統領が民主党候補に指名されて以来、その差は縮小してきた。そうした傾向は特定の課題が対象の場合は顕著で、例えば、住宅コストの低下実現ではハリス氏の方が信頼されている。
激戦州経済の主な特徴の一部を以下にまとめた。
9月下旬に発表された公式統計によれば、激戦州7州のうち6州では、4-6月(第2半期)の経済が国全体を上回る伸びとなった。
2020年4月から23年7月までの期間に米国の人口は340万人増えた。人口増加に最も寄与したのがヒスパニック系。一方、白人の人口は210万人減少した。