阪神・伊藤将 フォーム固めて来季「完投王」奪還「今年一年悔しかったんで。普通にやり返す」
阪神・伊藤将司投手(28)が5日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2000万円減の年俸1億4000万円でサインした。逆襲をかける来季へ23年まで2年連続でチームの「完投王」だった左腕は“タイトル”奪還を宣言。自身の登板試合で数多く援護してくれた大山悠輔内野手(29)が国内フリーエージェント(FA)権を行使した末に残留を決めたことも追い風に復活を誓った。 2軍降格は3度を数え、レギュラーシーズン終盤には中継ぎへの配置転換も経験した。4年目にして初の減俸が待っていた一年に伊藤将は悔しさをにじませた。 「本当に悔しいシーズンでした。やっぱり1軍で活躍しないといけないと思う」 真価の問われる来季へ、キーワードは「完投王」の奪還だ。「長いイニングを投げれば勝手に勝ちも付いてくると思う。そこはイニングもしっかり投げられたらいいなと思います」。自身2年ぶり2度目の2桁勝利をマークし、リーグ優勝に貢献した昨年はチームトップの3完投を記録し、9勝を挙げた22年はリーグトップの6完投と完投数が白星量産に直結してきた。 4勝に終わった今季は8回2失点で黒星を喫した6月14日のソフトバンク戦の1度だけ。昨季までチーム内で2年連続で守ってきた「完投王」の“タイトル”を奪還することが逆襲をかける来季の隠れたテーマになりそうだ。 1試合、そしてシーズン最後までマウンドを守り抜くために今オフの課題としたのが今季は試行錯誤を繰り返した投球フォームの修正だ。「バラバラだったし、うまくいってなかった。大幅に変えないですけど修正して(1月の)自主トレに入っていけたら」。年内は胸の可動域を広げることに注力し、1年間崩れることのない新フォームの土台をつくり上げる。 来季、グラウンドでは“追い風”も吹く。今季も自身の先発試合で打率・316、1本塁打、7打点と快音を響かせた大山がFA権を行使した末に残留。打撃だけでなく一塁の好守でも救われており「(大山の残留は)非常に大きいです!チームとしてもピッチャーとしても大きい」と満面の笑みを浮かべた。 「今年一年悔しかったんで。普通にやり返すというか。チームが優勝できるように貢献できたら」。自力を見せる一年になる。 (遠藤 礼)