【米国株ウォッチ】加熱式たばこ「アイコス」が絶好調、フィリップ・モリスの割安度は?
好調な業績はすでに株価に織り込み済みか?
地域セグメント別に見ると、南アジアおよび東南アジア地域、ロシアを含む独立国家共同体地域、中東地域、アフリカ地域の総称である「SSEA, CIS & MEA」セグメントの売上高は過去3年間で64%の大幅増となった。欧州の売上高は27%増、南北アメリカ大陸地域は14%増だった。しかしこうした増加は、東アジア地域、オーストラリア、PMI免税地域の総称である「EA, AU & PMI DF」セグメントでの売上高が37%減少したことにより一部相殺された。 フィリップモリスの収益成長は主に販売価格の値上げによるもので、たばこおよび加熱式たばこの総販売本数は過去3年間で5%増加したに留まる。また、コストが上昇した結果、営業利益率は2020年の40.3%から直近12カ月における34.8%へと低下している。 ■結論 全体として、フィリップ・モリスは今後数年間、着実な収益成長を成し遂げるであろう。アイコスは現在、フィリップ・モリスにとってトップセラー商品となっており、同製品が今後もフィリップ・モリスの成長を牽引していくだろう。しかし、こうしたプラス要因の大半は株価に織り込み済みであるように見える。この株式から長期的に堅調な利益を得るためには、株価の下落を待つ方が良いと私たちは考えている。
Trefis Team