「なんて俺は不幸なんだろう」と嘆いた40代無職独身男性が4児の父になるまで~「45歳で交際0日婚」「54歳で第4子誕生」を経験した激動の10年~
後藤さんと同世代の義母は、4人の子育てにおいても頼りになる存在。「今ではいい飲み友達」と言えるほど、良好な関係を築いている。 ■4人の子宝は「想定外」 結婚当初から子どもを望んでいたが、しばらく子宝に恵まれなかった。約2年間の不妊治療の末、第1子の女の子を授かることができた。後藤さんが48歳のときだ。 「不妊治療中は妻がつらい思いをしているのを側で見てきたので、妊娠がわかったときはふたりで抱き合って喜びました。でも、出産までは不安も大きかったので、無事に生まれたときは本当にほっとした。言葉で言い表せないほどの幸せを感じました」
その後も不妊治療を続け、2人目は男の子、3人目も同じく男の子を授かった。その後不妊治療はやめていたが、4人目の男の子を自然妊娠。現在、10歳・8歳・6歳・4歳のお子さんがいる。 「出産は4回とも立ち会いましたが、4回とも『早くパパを呼んでください!』って病院のスタッフの方に言われたんですよ。父親はここにいるのに(笑)」 4人の子をもうけることは、計画してのことだったのだろうか。第4子が成人する頃、後藤さんは74歳だ。
「いやいや、4人なんて全然想定していませんでした。ひとりかふたりは欲しいよね、とは話していましたけど」 後藤さんの妻は後藤さんが経営する塾で講師として働く傍ら、妊活中から始めたベリーダンスの趣味が高じて、ベリーダンサー・ダンス講師としても活動している。 「1~2人目が乳幼児で大変だった時期は、私が授業中にひとりを抱っこして、もうひとりをおぶって授業をしたこともありました。 生徒にも保護者にも申し訳なかったけど、ほとんどの方が状況を理解してくれた。
『そういう姿を見せることは、子どもたちの教育にもすごく良いと思う』とまで言ってくださる保護者の方もいました。 家の近くで学習塾を開いているため、生徒や保護者の大半は『ご近所さん』。家族ぐるみの付き合いをしている保護者は『先生、困ったときは子どもたちを預けても大丈夫よ!』と声をかけてくれるし、塾のスタッフたちの協力も大きいです」 後藤さんのお子さんたちにとって、塾の存在は「半分家みたいなもの」。そして現在は、生徒としても学んでいる。