レトロなかわいさでSNSでも人気再燃!『富士ホーロー』のホーロー製品が一生愛されるワケ
――調理器具としてのホーローの魅力とは? 玉生さん:熱が均一に伝わりやすく保温性が高いところですね。弊社ではほうろう用鋼板という1枚の鉄板から製品を作っているので、軽くて使いやすいです。また、ガラス質の表面は洗えば油汚れがすっきりと落ちてニオイがつきにくい特性があるため、保存容器にキムチを入れたり、お鍋でカレーを煮込んでも中性洗剤で洗えばニオイが取れます。ガスコンロだけでなく、IHとの相性がいいところも現代のニーズに合っていると思います。 ――ホーロー製品の用途はかなり広い印象ですが……。 玉生さん:オーブンにも入れられるので(一部除く)、パンやお菓子も焼けます。ガラス質で衛生的なため離乳食作りにも使われていますね。ただ、お肉(タンパク質)を炒めるとくっついてしまうので、そこだけ理解していただければ、あとはマルチに使いまわせますよ。 ――「角型天ぷら鍋」が大ヒットしていますよね。 玉生さん:今まで角型の鍋はなかったですし、とにかく形がウケているようです。バットやスノコ、温度計付きで、すぐに揚げ物ができるのも嬉しい。何よりコンパクトで収納に便利です。油を入れたまま蓋(バット)をすれば保存でき、バットはオーブンディッシュとしても活用できますよ。 ――使い勝手が良すぎて、「ちょっと揚げ物しちゃおうかな」と気軽に思えていい(笑)! 玉生さん:そういう方は多いですね。あと人気なのが「オイルポット」! 揚げ物周りばかりで恐縮です(笑)。揚げ物はみなさんお好きだと思いますが、キッチン周りが汚れるとか、油の処理が面倒くさい、温度管理が分からない……など億劫になってしまいがち。それをクリアにしてくれる一つがこの商品かもしれませんね。
――ロングセラーの製品・シリーズは? 玉生さん:先ほどお話した「メリーケトル」は不動の人気です。あとは「フルータスコレクション」や、「みそポット」ですね。「みそポット」は750gの味噌パックがそのまま入るサイズ。みそポットに入れて密閉蓋をすれば、乾燥と酸化を防げます。 ――「みそポット」という分かりやすい名前がいいですよね。 玉生さん:「みそポット」「天ぷら鍋」というストレートなネーミングのほうが、使い方をイメージしやすいみたいです。例えば「角型ポット」という名前だと、逆にどう使ったらいいか分からないもの。まずは「みそポット」として使ってもらい、そこから用途の幅を広げていく。ネーミングはとても大事ですね。