レトロなかわいさでSNSでも人気再燃!『富士ホーロー』のホーロー製品が一生愛されるワケ
手作業の丁寧な仕上げが作り出す美しいたたずまい
――家庭製品が増えてくる中、型のバリエーションも増えて来たのでしょうか。 玉生さん:型自体は昔からほとんど変わりはないんです。色を変えたり、柄を今っぽくしたり、つまみやハンドルの形を少し変えたり、ディテールを時代に合わせて変化させています。本体と蓋の組み合わせや、ハンドルの取り付け方でだいぶ表情が変わるので、型も新しくなったように見えるのかもしれませんね。 ――現在、デザインのシリーズはいくつ出ていますか? 玉生さん:ムーミンやミッフィーなどキャラクターもの、オイルポットのような用途別のシリーズも合わせると25くらい。弊社は花柄やキャラクターなど、プロダクトにさまざまな柄が入っているのが特徴で、柄の転写紙はタイ工場のスタッフが手で貼って作っているんです。 ――柄の転写紙を手作業で貼っているとは驚き! 玉生さん:そうなんです。転写紙を貼り、それを窯に入れて焼き付けているので、まず取れません。ムーミンハウスのドリップポットのようなぐるっと1周巻いている柄は、継ぎ目が分からないように貼りつけているんですよ。外側の色も機械ではなく、ほとんど人の手で、製品一つひとつ釉薬を塗った後、焼成して仕上げています。
――祖母の代から使われている富士ホーローのお鍋を持っているのですが、今も綺麗なまま現役で活躍しています。 玉生さん:釉薬はガラス質で、それを金属の上からコーティングしたものがホーローです。表面はピカピカしていてずっと綺麗なので、ケトルのようにしょっちゅう使うものをコンロの上に出しっぱなしにしてもキレイだし、かわいく見えるんですよね。繊細な柄や美しい発色のアイテムは、置いておくだけでインテリアにもなりますよ。 鉄×ガラスという丈夫な素材は衝撃がかからないと壊れないので、おばあちゃんの代から使っているものが未だにピカピカした状態で変わらず使えるんです。そういったところがみなさんに長くご愛用いただけている理由の一つだと思います。