2024年版 いま乗っておきたいホットハッチ 10選 全方位で大活躍!
9. スコダ・オクタビアvRS
チェコの自動車メーカーであるスコダのCセグメント車、オクタビアをチューンナップしたvRSモデルは、実用性と刺激的なドライビングの両立を諦めきれない一定の年齢層以上のドライバーに向けたベストアンサーである。 このクルマの最大の特徴は多用途性だ。最高出力245psの2.0Lターボガソリンと、最高出力200psの2.0Lディーゼルがあり、後者には四輪駆動も設定される。ガソリンエンジンにはかつて3ペダルのMTが用意されていたが、現在はもう選べない。英国では一時期、現物給付税対策として1.4Lのプラグインハイブリッドもあった。ボディスタイルは5ドア・ハッチバックとステーションワゴンから選べる。 ハイブリッドはドライバーズカーとしては少々ちぐはぐであったが、ターボガソリンはファミリーカーに適したしなやかな乗り心地と広さを持ち、力強さと鋭いハンドリングも兼ね備えている。一方、四輪駆動ディーゼルは欧州で求められる牽引能力や日常での使い勝手に優れ、経済性や航続距離も期待できる。エンジンによってキャラクターの棲み分けが適度になされているのだ。 通勤にも、家族のロングドライブにも使えるようなホットハッチを探しているなら、オクタビアvRSがいいかもしれない。スピードと繊細さがさりげなく調和した、現代の「Qカー」と言える。
10. クプラ・ボーン
このリストの中では他車のような圧倒的な力強さはないが、クプラ・ボーンは「EVとして」おまけのように取り上げたわけではなく、実力でトップ10に入っている。外観がホットハッチらしく見えるだけでなく、走りもいい。秘めたる才能は本物だ。 フォルクスワーゲンID.3と同じプラットフォームをベースに、リアにモーターを搭載し、最高出力230psと瞬時のトルクを発生する。発進から100km/hまでは純粋に速く感じられ、それを超えると加速力は落ちるが、速いクルマ好きなら失望する人は少ないだろう。また、ステアリングも鋭く、素早いターンインと正確な脱出を実現する、ロールの少ないハンドリングを備えている。電子制御を弱めれば、後輪駆動らしいバランスをさらに解放できるだろう。 その他の点では、広く多機能なインテリアに加え、快適性や洗練性などもよくできている。さらに良いことに、77kWhの大容量バッテリーを搭載したことで、1回の充電で約550kmという立派な航続距離を誇る。
ジェームス・ディスデイル(執筆) 林汰久也(翻訳)