ルノーと吉利汽車、新世代の内燃エンジン開発へ 「高効率ハイブリッド」など年間500万台生産
仏中提携、新エンジン量産化目指す
フランスの自動車大手ルノーと中国の吉利汽車(ジーリー)は5月31日、パワートレインの開発・生産を担う合同会社ホース(Horse)を新たに設立した。日産やボルボなどに向け、年間500万ユニットを生産する予定だ。 【写真】ルノー独自のハイブリッド技術「Eテック」【ルノー・クリオEテックを写真で見る】 (15枚) 本社は英ロンドンに置き、「クラス最高」の高効率なハイブリッド、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンを開発、生産、供給する「グローバルリーダー」になることを目指している。 初期予想では、当初の年間売上高は130億ポンド(約2兆5800億円)に達するとされる。ルノーと吉利がそれぞれ50%ずつ株式を保有する。 ルノー・グループのルカ・デ・メオCEOは、ホースが「状況を一変」させ、新しい超低排出ガス技術への「道を開く」と述べた。 「吉利汽車のようなリーディングカンパニーと提携し、超低排出ガス内燃機関と高効率ハイブリッド技術を開発する能力と専門知識を備えた新たなプレーヤーを誕生させることは、将来の鍵となる。我々は共に、イノベーションを事業の最前線に置いて、脱炭素化の課題に立ち向かっていく」 一方、吉利汽車の李書福(リー・シューフー)会長は、「ハイブリッド技術のグローバルリーダーになり、世界中の自動車メーカーに低排出ガスソリューションを提供する」と述べた。 李会長はさらに、「今後数十年で自動車業界がネット・ゼロ・エミッションを達成するためには、グローバルな相乗効果、複数の技術、専門知識の共有が不可欠だ。今回の(新会社)立ち上げは、持続可能なモビリティの新たな章を示すものだ」とした。 ホースは、3大陸にまたがる世界17の工場と5つの研究開発センターを擁し、約1万9000人のスタッフを雇用し、130か国に製品を供給する。 ルノー・グループは以前、2030年までのエンジンおよびハイブリッドの販売年間成長率を2%と予測しており、中南米、インド、韓国、北アフリカなどの市場では依然としてエンジン車が好まれると見ている。 ホースの最高経営責任者(CEO)を務めるのは、ドイツのパワートレイン・サプライヤーであるヴィテスコ・テクノロジーズで販売担当副社長を務めていたマティアス・ジャンニーニ氏だ。また、6人の取締役(ルノーから3人、吉利から3人)がホースの取締役に就任する。
ウィル・リメル(執筆) 林汰久也(翻訳)