2024年版 いま乗っておきたいホットハッチ 10選 全方位で大活躍!
3. ヒョンデi20 N
ヒョンデは、手頃な価格のパフォーマンスカーを手掛けるメーカーとして、急速に存在感を高めている。その主な理由がi20 Nで、一回り大きいi30 N(Cセグメント)よりもシンプルでダイレクトな古典的ホットハッチである。 もちろん、小型軽量なのは助けになる。しかし、アクティブ・ディファレンシャルの代わりに従来型のリミテッド・スリップ・ディファレンシャルを採用したほか、パンチの効いた1.6Lターボエンジンや、欧州で一般的なDCTではなく6速MT、アダプティブ・ダンパーではなく優れたパッシブ・ダンパーを採用している。 結果は実に優秀だ。まるで本物のラリーカーのような、入念に磨き上げられた特別なキャラクターを持っている。ボディコントロール、高速走行時の精度、安定性、ステアリングの正確さは、このサイズのクルマではめったにお目にかかれないものだ。 i20は室内が広く、装備も充実している。ヒョンデはこの10年間、欧州ブランドのコンパクトカーと肩を並べるまでになった。グリップや正確性をやや過剰に感じる人もいるだろうし、フォード・フィエスタSTよりも活発さが抑えられていると評価する人もいるだろう。ただし、フィエスタは廃止されたので、そこはあまり重要ではない。 標準のi20はフェイスリフトを受けたばかりだが、高性能のNモデルの改良についてはまだ発表がない。ヒョンデは今、EVのアイオニック5 Nに注力しているようだ。i20 Nもこの先、長くはないのかもしれない。
4. フォード・フォーカスST
フォードは過去数十年にわたり、実力も販売力も素晴らしいハッチバックを何台も世に送り出してきた。現行のフォーカスSTは、上記のヤリスやシビックほど鋭敏ではないが、フォードの伝統を何よりも尊重している。価格もシビックより手頃だ。 STは通常、やや下位に位置するグレードだが、現行世代のフォーカスにはRSの計画がないため、その分チューンナップに余念がない。歴代フォーカスSTとして初めてアダプティブ・ダンパーと、フロントアクスルに電子制御リミテッド・スリップ・ディファレンシャルを採用している。後者は、この価格帯のクルマではまだかなり珍しいものであり、ハンドリングの魅力を確実に高めている。 さらに走りに特化したハードコアなものをお望みなら、フォーカスSTトラック・パックがある。特別な手動調整式コイルオーバー・サスペンション、大型ブレーキ、ピレリPゼロ・コルサ・タイヤを履いた軽量アルミホイールがついてくる。追加オプションで3000ポンド(約55万円)と決して安くはないが、ボディコントロールとハンドリングの鋭さをさらに一段引き上げるものだ。 フォーカスSTは、ダイレクトでシャープなハンドリング、しっかりとしたボディコントロール、そして豊かなサウンドと動力性能を持つパフォーマンスカーとしてのキャラクターを備えている。平凡な道のりも楽しくしてくれるようなホットハッチであり、過去のいくつかの名車には劣るものの、一定の成功を収めている。 おそらく、これがSTモデルにとって適切なバランスなのだろう。サーキットで大活躍するようなマシンというよりは、身近なロードパフォーマンスカーとして日常を謳歌するクルマだ。現時点での究極のホットハッチとするにはまだ不十分だが、非常に強力な候補であることに変わりはない。 誘惑に駆られたら、今すぐ並行輸入車の注文を。小型のフィエスタと同じく、フォーカスも2025年に廃止される予定だ。