ポール・ケアホルムの名作家具が約50点！ デンマークデザインの巨匠の展覧会がパナソニック汐留美術館で開催
20世紀のデンマークを代表する家具デザイナー、ポール・ケアホルム（1929～1980）。北欧家具の代名詞である温かみ溢れるウッド製とは異なり、当時では珍しい金属や石といった硬質な素材を用いてミニマルかつ厳格な佇まいの家具を生み出した、異色かつ偉大なデザイナーだ。そんな彼の展覧会「織田コレクション 北欧モダンデザインの名匠 ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」が、パナソニック汐留美術館で6月29日（土）から 9月16日（月）まで開催される。 【写真を見る】デンマークを代表する家具デザイナー、ポール・ケアホルムの展覧会が、パナソニック汐留美術館で6月29日より開催。椅子研究家として知られる織田憲嗣のコレクションを中心に、今でも多くの人を魅了し続けるミニマルで清潔な椅子の数々が集結する。
本展は、椅子研究家として知られる織田憲嗣（東海大学名誉教授）のコレクションを中心に、ケアホルムの代表的な名作家具約50点が関連資料とともに一堂に会する、日本の美術館では初めての展覧会。会場構成は建築家の田根剛（ATTA）が担当している。 1929年生まれのポール・ケアホルムは、コペンハーゲン美術工芸学校で工業デザインを学ぶ。そこで、当時教えていたハンス・J・ウェグナーと出会い、多くの影響を受ける。卒業後はフリッツ・ハンセン社などでキャリアを積み、56年にアイヴァン・コル・クリステンセン（Ejvind Kold Christensen）がコル・クリステンセン社を設立し、ケアホルムのビジネス・パートナーに。協業により、数々の名作が生み出された。また、デンマーク王立美術アカデミーなどで教鞭を執るなど、教えることにも注力した。 ■《エレメントチェア（PK 25）》や《PK 91》etc. 、ケアホルムの名作 家具デザイナーとして初の作品で、永遠の名作と知られている《エレメントチェア（PK 25）》。接着や接合を用いず、折り曲げたスチールとフレーム帆船用のロープだけで構成されたラウンジチェアだ。 《PK 22》は、側面をなくし、 見えるスチールは脚のみ。ボディにレザーや籐を使うことで柔らかさを出したタイプのチェア。1957 年の第 11回ミラノ・トリエンナーレにてグランプリを受賞するなど、高く評価されたことでも知られている。 他にも、ミニマリズムを体現したフォールディングスツール《PK 91》や、“ハンモックチェア”として知られている長椅子タイプの《PK 24》、フリッツ・ハンセンに在籍していた1952年にデザインされた合板の《PK 0》など、とにかく名作が勢揃いだ。ケアホルムの洗練された造形美と彼の哲学・思想をぜひ実際に堪能しよう。
