ユニクロが定義する「最高の商売」の原理原則があった…!リピーターをがっちりつかむ「強さの秘密」
今や日本を代表する世界的企業となったユニクロ。新刊『ユニクロの仕組み化』の著者で、元ファーストリテイリンググループ執行役員の宇佐美潤祐氏によれば、ユニクロには数々の「原理原則」があり、それが強さの秘密につながっているという。なぜユニクロは原理原則を大事にするのか、また具体的にどんな原理原則があるのか、宇佐美氏に教えてもらった。 【写真】心ない人に「マウンティング」されたら使いたい…相手をビビらせるフレーズ
ユニクロが「原理原則」をつくった理由
ユニクロは「原理原則」で動いている会社です。ここ10年ほどで多くの原理原則がつくられていて、部門ごとにも用意されています。 私が2012年に入社する前からあったのが「商品経営の原理原則」と「店舗経営の原理原則」と「人事の原理原則」です。どういう商品をつくるか、どう売るのか、店舗をどう運営するのか、どう人材マネジメントを行うのかの原理原則です。 その後、経営者・人材育成機関(FRMIC)担当執行役員として、FRMICの仲間と議論を重ねるうちに「(経営理念と働いている人をつなぐ)中間概念としての原理原則がもっと必要ですね」ということで、まずは率先垂範で教育の原理原則をつくろうという話になり、グローバル各地域のFRMICの仲間たちと討議を重ね、教育の原理原則をつくり上げました。 当時の私の部下でその際に中核的役割を果たしてくれたのが、2023年に44歳の若さで事業会社ユニクロ・グローバルの社長に抜擢された塚越大介さんでした。 その後、FRMICでの教育の原理原則の策定と実践の成果を踏まえ、従来各部門任せになっていた教育を抜本的に進化させるために、部門ごとの原理原則を各担当執行役員のリーダーシップのもとつくり、原理原則を経営理念実現につなぐためのツールとして位置づけ、各部門教育の根幹としました。 最近この原理原則をより店長の日々の行動に生かそうという観点から、原理原則を整理、共有して「仕組み化」を加速させています。 2024年3月には「店はお客様のためにある――実践の原理原則」という冊子がつくられました。 「商売の原理原則」、「お客さまの原理原則」、「売り場の原理原則」、「仕事の原理原則」、「チームで働く原理原則」、「リーダーの原理原則」のように、既存の原理原則を再編集してまとめたものです。店長向けにつくられましたが、ユニクロで働く全ての人に配られています。 全体で300ページ弱程度の厚さです。持ち運びできるサイズで、働いている人が仕事で悩んだり、壁にぶち当たったりしたら、いつでも立ち戻れるバイブルのような存在です。