【プレミア12】井上温大「心が救われるくらいのホームランだった」と牧に感謝 松坂以来の1大会3勝目
◇WBSCプレミア12 スーパーラウンド第2戦 日本9―6ベネズエラ(2024年11月22日 東京D) 【写真】<日本・ベネズエラ>6回、3点を失った井上(撮影・島崎忠彦) 侍ジャパンの井上温大投手(23=巨人)がスーパーラウンド第2戦となった22日のベネズエラ戦(東京D)にリリーフ登板。逆転2ランを浴びるなど、まさかの1回4安打3失点で降板したが、直後に味方打線が一挙6得点と爆発して今大会7試合目で3勝目をマークした。 3大国際大会(WBC、五輪、プレミア12)で侍ジャパンの投手が1大会3勝をマークするのは2009年WBCの松坂大輔(レッドソックス)以来15年ぶり。 井上は3―2で迎えた6回、2番手として慣れ親しんだ巨人の本拠・東京ドームのマウンドへ。 最初に打席へ迎えた2番のCJ・ペレスは内角高めへの150キロ直球で空振り三振に斬って取ったが、続く3番のH・ロドリゲスに左前打されると、4番のCE・ペレスに1ボール2ストライクから投じた4球目、外角へ抜けたスライダーを左翼スタンドへ運ばれ、逆転2ラン被弾となった。 さらに2死後、四球と連打でもう1失点。3―2で上がったマウンドを3―5にしてしまった。 井上の投球内容は1回で打者7人に対して28球を投げ、4安打3失点。1三振を奪い、与えた四球は1つ、直球の最速は151キロだった。 今大会の開幕投手を務めた13日の1次ラウンド・オーストラリア戦(バンテリンD)では6回途中まで8三振を奪い、5安打2失点と好投して初勝利をマーク。 その後は中継ぎに回り、18日の1次ラウンド・ドミニカ共和国戦(天母)では5回から2番手として登板。自らの暴投で1点を失い、2回1安打1失点も勝利投手となり、初戦に続いて今大会2勝目を挙げていた。 この日はまさかの3失点直後に牧(DeNA)の決勝満塁弾など味方打線が一挙6得点。3つ目の白星を手にすることになった。 それでももちろん、井上の口から出るのは反省ばかりで「やっぱ気持ちを強く持って臨んだんですけど、空回りというかいつもより気持ちが先行してしまって。制球とかアバウトになってしまって、ボールに投げ切るところがゾーンに残ってしまったりとか。気持ちの持ち方が良くなかったなと思いました」と悔やんだ。 牧のグランドスラムについては「本当に心が救われるくらいのホームランだった。感謝したいです」と井上。今大会3勝目については「もうそこについては、毎回点を取られて前の投手の勝ちを消してしまっているので。そこをゼロで投げられるピッチングをしないといけない」と唇をかんだ。 本塁打したあとの牧からは直接声もかけられた。「もう切り替えろと言われました。牧選手だけじゃなく、全員声をかけてくれるので投げやすいです」と感謝した23歳。「球速は出ていたが、やっぱりコントロールだなって思いました」と教訓も得て次戦に臨む。