埼玉県、イベント人数制限を継続 大野知事「一気に緩和は大きなリスク」
埼玉県は21日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、全国的な移動を伴うプロスポーツイベントなどについて、8月1日以降も参加人数の制限を継続し、感染防止対策の検証を行いながら段階的に引き上げていく方針を決定した。会議後に会見した大野元裕知事は県内で感染が再拡大しつつある状況を踏まえ、「大規模なイベントは国の基準より厳しく対応することとした」と述べた。 【動画】埼玉県・大野知事が会見 大規模イベントへの制限を8月末まで継続
政府方針は8月1日から「上限撤廃」だった
埼玉県の新規感染者数は、直近5日間では300人近い数字で、7月17日には緊急事態宣言解除後で最多の患者数となる51人を記録した。隣県である東京都でも16日から3日連続で300人近い新規感染者を出すなど、感染が再拡大しつつある。 プロスポーツなどの全国規模のイベントについて、政府は8月1日から、参加人数を5000人かつ収容率50%以下とする現在の上限を撤廃し、無制限とする方針を示してきた。大野知事は現在の埼玉県の感染状況を「憂慮すべき事態」だと述べ、「一気に緩和することは大きなリスクがあると感じざるを得なかった」との見方を示した。 政府でも、こうした参加人数制限の緩和を延期することを検討しており、22日の新型コロナウイルス対策分科会で専門家の意見を聴く方針であることが報じられている。 大野知事は、埼玉県としての方針として、8月1日から1か月間、引き続き参加人数の制限を継続するとし、参加人数・収容率については「国が示してきた、近々国が示すであろう目安を上限とする」とした。 さらに、新型コロナウイルスに対応する特別措置法の24条9項に基づき、イベント主催者、施設管理者に以下の2つを求める。 (1)感染防止対策の検証行いながら段階的に参加人数を引き上げる (2)参加人数、感染防止対策について宣言を行い、検証結果や改善点を発表する 大野知事は、スタジアムでの感染防止対策に関して「座席の配置などではなく、より深刻なのは、入退場、輸送、トイレ、グッズ販売など一時的に密になる場所。人数が多くなるとリスクがより高まる」と指摘。これらを含めて対策の検証をしてほしいとした。またコロナ対策と経済活動の両立に向け、「(事業者に)知見を持っていただきながら、少しずつ(参加人数を)引き上げてほしい」と要請した。 その際、3000人、4000人、5000人と既定路線として引き上げていくのではなく、「万が一のときには立ち止まっていただきたい」と強調した。 全国的な移動を伴うプロスポーツチームは、埼玉県内にプロ野球の埼玉西武ライオンズ、Jリーグの浦和レッズ、大宮アルディージャがある。