【バスケ】「Bリーグ理事の半分が女性」島田慎二チェアマンの大英断 ジャーナリスト浜田敬子さんら女性7人の登用は「ポジティブインパクト大、マイナスはゼロ」3月8日は国際女性デー
「忖度せずズバズバ言う、これがいい」
ところで2021年に、東京オリ・パラ組織委員会の森喜朗会長(当時)が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言したことが大きな波紋を広げました。女性がたくさん入っているBリーグの理事会はどうなのでしょうか? 島田チェアマンは、会議の進行で困ったことは「全くない」と言い切ります。会議がまとまらないのは議事進行をする側の問題で、そこに男女差はないとし、「女性理事のみなさんはBリーグにとって、いいと思うことは忖度せずズバズバ言ってくださる、これがいいんですよ」と力を込めて言いました。 理事の浜田さんも、「女性理事の専門性も、年齢も居住地も多様であることがポイントだ」とし、性別以外の多様性も、同質性のリスクを回避することにもつながると考えています。
「パリテ法」の研究者 女性が増える効果
女性の数が増えることの効果は研究でも認められています。政治分野で男女同数の候補者擁立を義務付ける「パリテ法」を研究している専修大学専任講師の村上彩佳さんは、「数は力」と言います。 村上講師によれば、2000年に「パリテ法」が施行されたフランスでは、女性福祉策が増え、男性議員たちも女性に関するテーマが大事な政治課題だと認識するようになって、見落とされてきた課題がきちんと検討されるようになったそうです。 「女性が入っている理事会は時間がかかる」といった森元会長の発言について村上講師は、「(男性ばかりといった)同質性が高い会議では異議申し立てが出にくいため楽。会議が長くなるのは女性が加わったことによってこれまで見落とされていたものが議題に上がってくるからであって、それに向き合えば物事が良くなる方に進む」と指摘しています。
「女性の登用でマイナスなことはゼロ」
島田チェアマンの決断について村上講師は、「1人の男性リーダーがうまくやった先例ができれば、あとに続く人たちもとてもやりやすくなる」という波及的インパクトの効果を指摘します。 Bリーグは2026年の大改革で、これまでも取り組んでいたスポーツによる地域活性化からさらに拡大して、スポーツを軸としたビジネスセミナーやインバウンド誘致、そして貧困家庭のサポートまで幅広い地域との連動を目指しています。 島田チェアマンは、「いろいろなものを変えていくタイミングで、『理事の半分が女性』という思い切ったことをやれば、スポーツ界にも世の中にも革新のメッセージを伝えられる。女性の登用はポジティブインパクトが大きくて、マイナスなことはゼロです」と胸を張りました。 このリーダーシップが、Bリーグの発展のみならず女性がより活躍しやすくなる社会へと広がっていくことが期待されます。(MBS東京報道部 石田敦子)