富士フイルム「チェキ」・カネカ「グミ」…機能化学の技術力、消費財でも存在感
カネカ /グミで手軽に健康づくり
カネカは健康を重視した製品を展開している。子会社のカネカ食品(東京都新宿区)は還元型コエンザイムQ10を手軽に摂取できるグミ「わたしのチカラ『カネカQ10果実グミ』」を全国のセブン―イレブン店舗で発売した。 内容量は1袋40グラムとし、「レモンソーダ味」「ジューシーピーチ味」の2種類を展開中。グミにはとろりとした食感の果汁ジュレが入っており、一度に二つの食感を楽しめるという。好評のため、販売地域を首都圏から全国へと広げた。 還元型コエンザイムQ10は、エネルギーを作り出すために必要な補酵素の一つとなる脂溶性のビタミン様物質だ。カネカは独自の発酵技術により、酵母から還元型コエンザイムQ10素材を量産することに成功。自社グループをはじめ、国内外の製薬会社やサプリメントメーカーにも同素材を供給している。新製品ではこれを菓子に配合することで、仕事や家事の休憩時間から消費者の健康を支える。 カネカは化学業界では珍しく、牧場を使った事業も展開している。別海ミルクワールド(北海道別海町)と有機生乳の製造・販売を担う別海ウェルネスファーム(同)を2020年に設立し、有機専用牧場で生産性の高い有機酪農に取り組む。 生乳は全量をカネカが買い取り、ヨーグルトを中心に牛乳やバターなど有機乳製品の品揃えを拡充。3月には同牧場の牛乳を『オーガニック生乳でつくった有機牛乳』としてライフコーポレーションの店舗で発売した。
信越ポリマー /色付きラップに人気
信越化学工業グループの信越ポリマーは、食品などを包装するラップフィルムで攻勢をかける。同社とその子会社のキッチニスタ(東京都千代田区)では塩化ビニール樹脂のラップフィルムを手がけてきた。よく伸びてくっつきやすいのが特徴で、青く着色した製品は破片の混入を発見しやすいとして飲食店やホテルなどの業務用で普及した。 22年に消費者向けとして発売した抗菌仕様の小巻の「デコラップ」は、青、黄、赤の3色。おにぎりに巻くなどして弁当に気軽に彩りを添えられるほか、工作にも使える。透明なラップフィルムで色つきは異例とも言えるが、人気がじわりと増しているという。電子商取引(EC)サイトを中心に販売中だ。
東亞合成/光硬化タイプの瞬間接着剤
東亞合成の瞬間接着剤「アロンアルフア」は、家庭用で安価品を除く国内売上高シェアで8割を占める。盤石な地位を持つが、23年に光硬化性を持たせた新製品を投入した。付属のライトを照射することで、硬化時間を短縮。接着した周辺が白くなる現象を防ぎ、接着面積が小さい部分の接着やコーティング用途など、従来品では難しかった用途に活用の幅を広げた。容量は4グラム。発売元のコニシを通じ、全国の小売店などで発売している。