SKE48・荒井優希 プロレス4年目で東京女子の頂点へ「結果を残したい。挑戦したい気持ちが絶えずある」
人気アイドルグループ・SKE48のメンバー、荒井優希(26)がプロレスラーとしてデビューしたのは、2021年5月4日のことだった。あれから3年、団体(東京女子プロレス)に三つあるタイトルのうちプリンセスタッグ王座とインターナショナル・プリンセス王座を戴冠し、開催中のシングル最強決定トーナメント「第11回東京プリンセスカップ」(以下TPC)ではベスト4に進出するなど、主力選手に成長している。初優勝をうかがう荒井に、TPCへの思いを聞いた。(デイリースポーツ・藤澤浩之) 【写真】アイドルらしいポーズ披露 キュートなスマイルに見惚れちゃう ◇ ◇ 荒井は23日・新宿FACE大会で行われる準決勝でフリーのベテラン、水波綾(36)と対戦する。勝てば25日・後楽園ホール大会で行われる決勝で、準決勝のもう1試合、愛野ユキ(29)対ザラ・ザッカー(22)戦の勝者と優勝を争うことになる。誰が優勝しても初優勝だ。 デビュー年から4年連続出場しているTPCを、荒井は「自分だけの力でどこまでできるかを毎年、確かめられる機会。1回負けたら次に進めない緊張感、皆が上がりたい気持ちがぶつかり合うので、自分にとって夏になくてはならないイベントになっている。この期間で、いろんな意味で強くなれていると思う」と考えている。 外部参戦で台風の目となっている水波とはタッグで1度だけ対戦しており、「水波さんがいるだけで会場の空気が変わるし、試合していても気持ちの部分にすごい攻撃されるというか、いつもと違う自分が出てきちゃう。いつもの何倍も感情が出るって感じです」と、大いに刺激された。 準決勝で初の一騎打ちが決まり、「東京女子のファンの方にも一瞬で愛される存在になった。私もすごく好きな選手なので、見習うところ、学ぶことがたくさんある。(準決勝の対戦を)くじ引きで引き当てた時はちょっと怖いなと思ったけど、ラッキーだな、ありがたいと思う気持ちもすごくありました」という。 とはいえ、今年はシングル王者として臨んでおり、昨年の自己ベストを更新するためには「体格的にも経験値的にも大差がある」という水波戦を突破するしかない。 「勝てるとしたら、インターナショナルのベルトを取った時にマックス・ジ・インペイラーという大きな相手にも勝てたFinally(かかと落とし)しかない。アジャコングさんとシングルマッチをした時もFinally一本集中、Finallyを決めるという意図で望んだんですけど、今回もどうしたらFinallyを決められるかというところを考えて。どうにかしてちっちゃくして(相手の体勢を低くさせて)ということを考えて臨みたい」 ベスト4には昨年も進出しており、上にはもう決勝進出と優勝しかない。「自分としても結果を残したい。結果を残すことによっていろんな方に知ってもらう機会にもなると思うので、すごく大事に思っています」と、TPC初優勝を目指す。 TPCの優勝者は、最高位のベルトであるプリンセス・オブ・プリンセス王座に挑戦するというのがここ数年の流れだ。荒井はまだ同王座に挑戦したことがなく、「まだまだ挑戦したいっていう気持ちが絶えずあるので、貪欲に2冠を目指して頑張りたい」と、優勝後の挑戦という青写真を描いている。 現王者・渡辺未詩(24)は荒井同様、アイドルグループ「アップアップガールズ(プロレス)」のメンバーとしてアイドル活動も行う二刀流。荒井のデビュー戦でタッグを組み、「練習とかでもたくさんお世話になっている先輩でもあり、未詩さんの存在で引っ張られているというか、自分ももっとやんなきゃと思えてる部分がけっこうある」という存在だ。 「ずっと戦いたいと思っている」が、一騎打ちはまだない。「なかなか戦える相手でもないので、トーナメントを制してベルトを取りたいというのもあるし、未詩さんとシングルマッチがしたいというのもあります」と、TPC初優勝に向けた原動力にもなっている。 ◇ ◇ 荒井優希(あらい・ゆき)1998年5月7日生まれ、京都府出身。2013年、AKB48グループのドラフト会議で指名され、SKE48チームK2に所属しデビュー。21年、プロレスデビュー。プロレス大賞、プロレスグランプリで新人賞。22年、赤井沙希と組んで第10代プリンセスタッグ王者。今年1月、マックス・ジ・インペイラーからインターナショナル・プリンセス王座を奪取。得意技はFinally、新人賞、サソリ固めなど。身長167センチ。血液型A。