初めてやることにも「できないからやりたくない!」 子どもが“挑戦したがらない”のはどうして?
「パパママの失敗談」で気持ちをほぐす
――“やり渋り”する子どもに挑戦させたい!どんな風に導くのがいいの? その場でできることとしては「パパと一緒にやってみようよ」「じゃあママが先にやってみるね」「途中で交代しよう」というような“伴走”がやりやすい方法でしょう。「子ども1人でチャレンジする」ということにこだわらないということですね。 また、部分的にできた段階でしっかりほめていくこともとても重要です。完全にできてからほめるのではなく、その過程でほめるということです。 ただ、こういう場面で尻込みしてしまう背景には「失敗が怖い」という思いがあることが多いので、その場の工夫だけでは不十分です。もっと土台の部分の「凝り固まった思い」を溶かしてあげるのがとても重要です。 たとえば、パパやママの失敗談を話したり、親子でちょっとハメを外して遊んじゃう、というのも「失敗はいけないこと」という頭をほぐすのに有効だと思います。あとは、親自ら「失敗しちゃった、助けて~」というシチュエーションを作り、子どもにレスキューに来てもらう、というのも少々芝居がかっていますが、子どもの心を動かすいいきっかけになるかもしれません。 「失敗って案外悪くないんだな」「みんなも失敗しているんだな」と失敗への許容を広げられれば、前に進みやすくなります。それで一歩目の勇気が出たら、すかさずその気持ちをほめる。こんな風にやっていけると、少しずつですがその気になってくれることが増えてくると思います。 子どもが「できないからやりたくない」という気持ちになってしまうのは、実は過去の失敗の経験から「失敗したらどうしよう!」という気持ちを凝り固めてしまっているからかも。 「失敗が怖いからやりたくない」「完璧にできないならやりたくない」、実はこんな気持ちを隠しているかもしれない子どもたちに“薬”となってくれるかもしれないのが、パパママたち大人の失敗談! 「どうして初めて挑戦するのに、できないなんて言うの?」「いいからまずはやってみて!」と叱ってしまいそうになったら、まずは子どもたちに「失敗しても大丈夫なんだ!」と安心してもらえる手助けをしてあげよう。 (解説:佐藤めぐみ/公認心理師) 英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。 (漫画:さいとうひさし)
プライムオンライン編集部