「どんどん偏屈になる夫にどう接すればいい?」毒蝮三太夫が世の中すべて夫婦に授ける円満の秘訣
回答:「偏屈ダンナ改造計画」に取り組もうじゃないか
あなたはいい奥さんだね。ダンナのことを心配して、これから先の人生をダンナと楽しく過ごしたいと思って、こうやって相談を寄せてくれている。「私は私で好きにやるから、勝手にしなさい」と見捨てる奥さんだって、たくさんいるからね。 もともと偏屈な性格なんだろうけど、年齢とともに拍車がかかっちゃったわけだ。たしかに、嫌な奴と無理に付き合いを続けることはない。でも、ダンナの場合は、一時の感情で大切な友達との縁も切っているみたいだな。この調子だと、あなたが言うようにそのうち友達がひとりもいなくなる。そうなると、ますます頑固で偏屈になりそうだ。 ここはひとつ「偏屈ダンナ改造計画」に取り組もうじゃないか。人生100年時代。67歳と60歳なんてまだまだ若造だし、これからが第二の青春だ。ダンナのことをうっとうしいなと思いながら過ごすのは、あまりにも不毛だよ。 別れる気がなくて、あなたにとってかけがえのないダンナだったら、いろいろと手を尽くしてみよう。自分の未来のために、一緒にいて楽しいと思えるダンナになってもらおうじゃないか。それに、誰とも話さなくなって黙ってテレビばっかり見てたら、認知症のリスクだって高まりそうだ。 まずは危機感を持たせるために、あらたまった様子でこう切り出そう「あなたのことが大事だから、あえて言わせてもらいます。私が本当に必要だと思うなら、日頃の態度を少し考えてください。どんどん頑固になっていくあなたと一緒に暮らすのは、私は辛いし、あなただって辛いでしょ」ってね。 また別のタイミングで、こんなふうに言ってやるのもいい。「私は、あなたの笑顔に惚れたの。独りで黙ってる姿も渋くていいけど、友達と話しながら笑っていたり、誰かにニッコリ笑いかけたりしている顔は、とっても素敵だと思う」ってね。奥さんの側が一枚上手になって、上手に転がしてやってくれ。さっきも言ったように、それは自分のためでもある。 一緒に楽しめる趣味を持つのもいいな。電車でちょっと足を延ばして、土地の名物グルメを食べ歩くとかね。若い頃に観た映画のDVDを買ってきたりネットで探したりして、夫婦でまた観直してみるのも楽しい。それぞれ昔とは違う感想を抱くはずだ。そんな話をしてると、「この人、こんな一面があったのね」なんて新しい発見があるんじゃないかな。 世のダンナにぜひ伝えたいけど、どんなにワガママを言っても無愛想な態度を取っても、妻は許してくれると思ったら大間違いだ。この奥さんは、今は「ダンナをどうにかしたい」という気持ちを持ってくれているけど、ダンナが変わらなかったら、やがて諦められて、そして見捨てられる。うるさく言ってくれているうちに、自分を変える努力をしよう。 相談してくれたあなたたち夫婦が、そして世の中のすべての夫婦が、円満で楽しい2025年を過ごせることを祈ってるよ。ひとり者のジジイとババアも、たくさん笑える実り多い一年にしてくれ。今年も一年、ありがとう。みなさん良いお年を。来年もよろしく頼むよ。 毒蝮さんに、あなたの悩みや困ったこと、相談したいことをお寄せください。 介護ポストセブンでも連載記事中に相談受付のリンクが貼ってあります。 ※今後の記事中で、毒蝮さんがご相談にズバリ!アドバイスします。なお、ご相談内容、すべてにお答えすることはできませんことを、予めご了承ください。