「ママ友と出かけたいのに、夫が子供の分のご飯すらよそえません」夫に家事を任せられなくてモヤモヤ…主婦(35)の悩みに専門家が回答
『できない』を変えていくために
(1)できないことの背景にあるものを明確にする 『ごはんがよそえない』という事実を目の前にして、『このくらいできないなんておかしい』とバッサリ切る、『もういいや、私がやれば』と割り切ることもアリだと思います。でも、もしよければ、『その背景に何があるのかについて理解しようとする』という一手間を加えみませんか? 例えばKさんのお話で考えると、「子どものご飯は○グラム用意してね!」と具体的な指示が欲しいのかもしれないですし、ご主人の中に、ご飯は残してはいけないという思考が強くあるのだとしたら、「多くよそってしまって、残してしまったらどうしよう」という不安が行動をとれなくさせている、という可能性もあるかもしれません。いずれの場合でも、「どうしたらやりやすくなるかな?」とご主人に直接聞き、できないことの背景を明確にしてみましょう。何が原因で行動することのハードルを上げているのかが明らかになると、それに対してフォローがしやすくなりますし、学習したご主人が、今後自主的に動けるようになるということもあります。 (2)成功体験を少しずつ積み上げる 心理学でいう、『スモールステップ』による成功体験を積み上げていくことも良いかもしれません。スモールステップとは、大きな目標や課題を小さな段階に分けて、一歩ずつ進めていくアプローチのことです。小さな課題をひとつずつ達成していくことにより、成功体験が積み上げられ、自己効力感(自分にはできると自分自身が思えるようになること)が高まります。すると、わからないことに対しても『頑張ってみよう!』という気持ちも生まれやすいです。 Kさんの場合、今回はKさんがご飯をラップして用意する、そしてどのくらいの量なのかをご主人に知ってもらうという最初のステップを踏みました。次回以降は、Kさんがそばについてご主人に実際にご飯をよそってもらう、それができたら次は1人でやってもらうなど、少しずつステップアップさせていくことで、ご主人が自信を持って対応できるようになると思います。 (3)感謝の気持ちを伝える 心理学では、ポジティブな声かけが、その行動を強化する効果があると言われています。Kさんの場合は、ご主人がご飯をよそう、あるいは自らご飯をよそうという行動をしようとしたら、(Kさんが望む量ではなかったとしても)、肯定的な声かけをしてみてください。「ありがとう」「助かったよ」などのポジティブな言葉をかけることで、「次も頑張ってみよう」というモチベーションを高めてくれます。 これはKさんに限らず、パートナーに家事育児に積極的に参加してもらいたいという方にもおすすめです。どうしても相手ができないこと=結果にフォーカスしがちですが、できるようになってもらうためには、やろうとしたこと=過程を評価することのほうが実はとても大事なのです。 (4)共感と理解を示す ご主人が「できない」という言葉の裏には、自信のなさや不安が隠れていることも。そういった背景を組んで、ご主人に共感的な声かけをしてみてはどうでしょうか? 「あなたも慣れていなくて大変だと思うけど、少しずつ一緒にやってみようよ!」というように、相手の気持ちに共感しつつ、前向きな解決策を提示することで、ご主人のやってみようという気持ちが湧きやすくなるかもしれません。