フィリピン「残留日本人」終戦から80年…無国籍のまま進む高齢化 国籍回復に“壁”も
■無戸籍のまま…進む高齢化
フィリピン残留日本人の高齢化が進んでいて、一日も早い国籍回復が必要となっている。 フィリピン日系人リーガルサポートセンターによると、フィリピンの残留日本人は2023年3月末時点で合計3815人となっている。 その内、国籍を回復した人が1615人、無国籍のまま亡くなった人が1799人、現在、無国籍のまま残されている人が401人いる。 無国籍のまま残された人は2019年には1069人いて、4年間で668人が国籍回復叶わず亡くなっている。 フィリピンの残留日本人を長年、支援し続けてきたフィリピン日系人リーガルサポートセンターの河合弘之弁護士は「このままでは問題が解決するのではなく消滅してしまう」と、早く解決しなければと危機感をあらわにしている。 そんななか、ようやく日本政府の支援も本格化しようとしている。 去年5月、在フィリピン日本大使館の花田貴裕総領事が、モリネさんなど残留日本人を訪問。一人ずつ面談をし、一日も早い国籍回復に向けた支援を約束した。 先月19日には岩屋毅外務大臣が「残留日本人の日本への渡航は親族探しを通じて国籍回復に必要な情報を得るためにも重要な機会のひとつ。今後とも関係省庁と連携し、対策を講じる」と述べている。 ただ、国籍回復には“壁”もある。 外務省の調査・支援だけでなく出生記録などの証拠や資料が必要になるため、全員を救うには限界があるという。 国籍回復を支援してきたフィリピン日系人リーガルサポートセンター事務局長の石井恭子さんは「出生記録や両親の婚姻記録など資料がまったく残っていない人も多く、支援の限界がきている。日本国籍を希望する人には一括救済という形で国籍を認めるなど政府には政治的な決断をしてほしい」と願っている。 (「大下容子ワイド!スクランブル」2025年1月7日放送分より)
テレビ朝日