【日本株週間展望】米大統領選次第で波乱含み、堅調な経済環境は支え
(ブルームバーグ): 11月1週(5-8日)の日本株は波乱含みになりそうだ。米国の大統領選挙や連邦公開市場委員会(FOMC)、企業決算の発表ラッシュと重要イベントが相次ぐ。
衆議院選挙後の10月5週は東証株価指数(TOPIX)が週間で1%高と3週ぶりに反発した。11月1週は米国時間5日の米大統領選の結果次第で一時的に値動きが大きくなる可能性があり、相場の戻り基調を維持できるかが焦点となる。
米大統領選は共和党候補のトランプ前大統領と民主党候補のハリス副大統領が接戦となっている。減税や規制緩和を主張するトランプ氏勝利なら米景気刺激や米金利上昇、ドル高につながりやすい。一方で日本にとっては、米国の政策が保護主義へ傾く懸念がある点には留意しなければならない。ハリス氏勝利なら米経済に下押し圧力との見方がある。
6、 7日のFOMCについて市場は25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを織り込んでいる。7-9月期の米国内総生産(GDP)で個人消費が予想を上回るなど米経済は堅調に推移する中、利下げが米景気を下支えするとのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)への期待は継続しそうだ。
国内では8日に主要企業の決算発表がピークを迎える。SMBC日興証券によると、TOPIX(卸売りと金融除く)の営業利益は10月31日時点で前年同期比5.5%増となっている。
主要企業の決算発表は5日に三菱重工業や任天堂、6日はトヨタ自動車やホンダ、ダイキン工業、7日はNTTや日本製鉄、東京地下鉄(東京メトロ)などがある。東京証券取引所は5日から取引時間を午後3時30分まで30分延長するため、一部企業には決算発表時刻を繰り下げる動きが出ている。
《市場関係者の見方》
三菱UFJアセットマネジメントの向吉善秀シニアエコノミスト
米大統領選次第となるボラティリティー(変動率)の大きい週になりそうだ。トランプ氏勝利なら、米株高とドル高・円安を通じて日本株にもプラス。半面、ハリス氏勝利なら株式相場にはネガティブである上、結果が短期で確定しないリスクや社会的な混乱を起こす懸念も残り、米国株の一時的な調整に日本株も巻き込まれるだろう。ただ、ファンダメンタルズは良好なため、波乱がなければ日本株は堅調に推移しやすい。