発売前に色々あった「LUMIX S9」。結局売れている理由をフォトグラファー目線で考えてみた
■「LUMIX S 26mm F8」とのセット使いで軽快さを実感!
スマホからのステップアップと考えた場合、センサーサイズの小さいコンパクトデジカメなどに比べて、一般的にはよりボケが大きく高画質なフルサイズセンサー搭載機の方が、写真のグレードアップ感が楽しめます。ただ、フルサイズセンサー機は大きく重くなりがちなので、持ち運びのハードルが高くなりがち。 「ルミックス S9」×「LUMIX S 26mm F8」(2万8710円)の組み合わせは、そんなハードルをラクラクと超えさせてくれるような、コンパクトさと軽量さを併せ持っています。 また、26mmという画角は一般的なスマホの画角に近いので、そういう意味でも違和感なくステップアップできるのではないでしょうか。 しかしこのレンズ、「絞りはF8で固定」「マニュアルフォーカス」と、少々クセ者(笑)。 軽くてコンパクトなカメラとレンズは、散歩中の足取りも軽く、いつもよりも一歩先へと導いてくれます。 マニュアルフォーカスレンズですが、F8.0固定の被写界深度の深さも相まって、カメラのピーキング機能を使うと簡単にピントは合わせられます。 一見おもちゃみたいなレンズですが、やっぱりスマホとは一線を画す高画質さと雰囲気の写真が撮れます。ISO5000と中々の高感度ですが、ノイズも出すぎずという感じです。 スマホだと、ピントが微妙にズレることはあまりないと思いますが、マニュアルフォーカスだと、後で大きな画面で見たらズレてたみたいなことも結構あります。 ただ、それはそれで“味”というか、ちょっと昔のフィルム的なレトロ感が出たりして、面白い気がします。 軽いカメラでついつい“より道”したくなります。普段通らない路地には、いつもと違う景色が待っていることも。あえてピント合わせを適当にすることで、スナップにゆるさが出ます。軽さとコンパクトさ重視なので、「すごく写りが良いレンズ!」というわけではないですが、フルサイズの高画質さは十分楽しめます。 被写界深度はF8.0で固定なので、フルサイズならではのボケ感みたいなものは出しづらかったり、マニュアルフォーカスの面倒さはありつつも、「これぞ一眼レフ撮影の醍醐味」といったところでしょうか。