また後半ATでドラマ 東京V見木弾で0―3から劇的ドロー 主将・森田「最後に何かが起こる気する」
◆明治安田J1リーグ▽第13節 鹿島3―3東京V(12日・カシマ) 1試合が行われ、東京VがJ1で16年ぶりの鹿島戦で3点ビハインドから3―3の引き分けに持ち込み、10戦無敗とした。後半アディショナルタイム(AT)3分にFW見木友哉(26)が同点ゴール。Jリーグ開幕元年の93年に年間優勝を決めるチャンピオンシップで激突した名門対決で意地を見せた。 ドラマはまたも試合終了間際に待っていた。2―3の後半AT3分。FW見木がゴール正面でこぼれ球を押し込み、同点ゴールを決めた。0―3の劣勢から敵地で引き分けに持ち込み、城福浩監督(63)は「勝ち点1をこのスタジアム(カシマ)で取れたことは自信になりますし、僕たちはJリーグでサプライズを起こしたい思いがある。『次は勝ち点3だ』という終わり方をできたことはよかった」と、うなずいた。 何かが起こる予感はしていた。開幕・横浜M戦(1●2)で後半AT3分に決勝点を与えたのを手始めに、前節の磐田戦(3〇2)では同9分に勝ち越し点を奪うなど、16年ぶりに戦うJ1の舞台では、後半ATに試合が動く経験を前節までに6度も味わった。後半5分までに3点差つけられたが、MF斎藤の今季初得点、FW木村の3戦連発で1点差に迫り、最後は劇的な同点弾。主将のMF森田も「諦めない姿勢はすごく出ているし(最後に)何かが起こる気はしますね」と振り返った。 この一戦は鹿島側が「クラシコ」と銘打ち、試合前には両クラブOBのジーコ氏とラモス瑠偉氏のトークショーも実施された。ラモス氏は古巣の東京Vに「『二度と(J2に)落ちない』ではなく、優勝争いできるチームをつくってほしい」とゲキを送っていた。鹿島との名門対決で意地を見せて、10戦無敗(3勝7分け)。今季の東京Vは最後の最後まで目が離せない。(後藤 亮太) ◆東京Vの後半ATメモ 開幕・横浜M戦(1●2)、第3節・C大阪戦(1●2)はともに後半AT3分に失点して敗れたが、第5節・京都戦では同時間に1―2から同点ゴールが生まれた。第8節・FC東京戦(2△2)では後半AT4分に失点したが、第11節・鳥栖戦(2〇0)は後半AT7分に追加点、第12節・磐田戦(3〇2)は同9分に勝ち越し点を奪うなど、鹿島戦まで3戦連続で後半ATに得点を奪っている。 【鹿島】 ジーコ氏が見守る“御前試合”で大失態を犯した。前半5分にFW鈴木のPKで先制し、同8分にMF名古が追加点。後半5分のDF植田のゴールで3点差に広げ、試合は決したかに思われたが、選手交代を行うたびにパフォーマンスが低下し、3失点を食らった。4連勝を逃したポポヴィッチ監督(56)は「交代カードを切ったのは私。責任は私にある」と落胆した。
報知新聞社