ディスクシステム『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』が発売された日。前後編で発売された任天堂初のアドベンチャー。続編も羽生結弦さんが「僕の原点」と語り多くの人を驚かせた【今日は何の日?】
※本記事は、2023年9月4日にアップした記事を再編集したものです。 キャラクターを切り替えながら進めるシステムが斬新 【記事の画像(6枚)を見る】 いまから37年前の1987年(昭和62年)9月4日は、ファミコン ディスクシステム用『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』が発売された日。 『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』は、任天堂が初めて発売したテキストアドベンチャーゲーム。前編と後編の2部構成という、いまだかつてなかった形式で発売され当時のゲームファンたちをあっと言わせた作品だ。 『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』は、“鬼ヶ島”の文言から察せられるように『桃太郎』の話がベースになっている。加えて誰もが知るような昔話・おとぎ話の『金太郎』や『浦島太郎』、『かぐや姫』などの多種多様な作品から要素やキャラクターをピックアップして融合しているのがおもしろいところ。印象深いのは『一休さん』モチーフの語り部“いったいさん”で、ツルツルの頭に1本だけ髪の毛が伸びていることから1本付け足して“一体さん”になったとか……。 本作が発売された当時、ファミコンおよびディスクシステムのアドベンチャーゲームでは『ポートピア連続殺人事件』や『オホーツクに消ゆ』、『デッドゾーン』のようなミステリーやSFといったジャンルが定番。ユーモアやギャグ満載の和風ファンタジーとも言える『新・鬼ヶ島』はかなり異色な存在だった。画面レイアウトも独特で、テキストが縦に表示されていたのだからなかなかにスゴイ。 いまで言うザッピングシステムをいち早く取り入れたシステムも斬新でおもしろかった。主人公は竹の中から生まれた女の子(ひかり)と、川に流れてきたお椀にお湯を注いだら生まれてきた男の子(どんべ)のふたり。“ひとかえる”コマンドで主人公の視点を変えながら進めていくのだが、それぞれ得手不得手があるため、ふたりの個性を活かすように選択肢をチョイスして謎を解かねばならなかった。 選択肢が豊富でおもしろおかしいテキストが用意されていることが多かったので、つい余計な選択をしてゲームオーバーになってしまったという人もいたんじゃないだろうか。シチュエーションを表示するイラストの一部が変化するなど、見せかたも凝っていたと記憶している。 1996年9月29日には、サテラビューを使用した衛星データ放送番組として全4話の『BS 新・鬼ヶ島』が配信。こちらの作品をリメイクしたものが、フィギュアスケーターである羽生結弦さんが語ったスーパーファミコン用『平成 新・鬼ヶ島』となる。イヌの“りんご”、サルの“まつのすけ”、キジの“おはな”が主人公に出会うまでの物語を描くなど、オトモの3匹にスポットが当てられているのがよかった。 ゲームを前編と後編に分ける形式は『新・鬼ヶ島』以降、定番に。『ふぁみこんむかし話 遊遊記』や『ファミコン探偵倶楽部』、『タイムツイスト 歴史のかたすみで…』といったアドベンチャーゲームが発売されている。 いま本作は、Nintendo Switch Onlineに加入することでプレイが可能。この機会に触れてみてはいかがだろうか。