「結婚はまぶしくて手が届かないもの」 法律上は〝他人のまま〟の同性カップル、希望のためにたたかう
「不平等はこの時代で終わりにしたい」当事者の“無念”思い涙
家族ぐるみでの付き合いがある書店兼喫茶店を経営する田尻久子さん(55)は、これまでの2人の歩みを振り返り、「彼らが幸福になれない社会はわたしにとっても生きづらい社会」だと訴える。 田尻久子さん 「ゆうたのお母さんは死んでしまったけど、たぶん生きていたら2人の結婚をものすごく喜んだんですよ。もうすでに間に合っていないんです」。 ゆうたさん 「いま生きているわたしの父と、こうぞうさんのお母さん、長生きはしてほしいけど、生きているうちに“ふうふ”になりたいよね」
普段は穏やかで、優しい口ぶりの2人。しかし、当事者の“無念”を語る時はいつも込み上げるものがある。「結婚ができ、家族になりたいと望みながらも亡くなっていった当事者がたくさんいる。間に合わなかった人たちが生まれるのは、この時代で終わりにしたい。この不平等をなくすことが、幸せな人を増やすことにつながると信じている」。こうぞうさんとゆうたさんの目には涙が浮かんでいた。
編集後記
いま、世界の37の国と地域では同性婚がすでに法制化されている。2人の取材を通して徐々に気づいたことがある。「どうして結婚をしたいの?」そんな問いかけを、通常カップルに対して投げかけるだろうか?大抵は一緒に居たいからに決まっている。「性格はあまり似ていない。でも家族を思いやるところや、人生において大切にしたいことは一緒」。2人のその佇まいは“ふうふ”であり、“家族”そのものだ。ではなぜ、結婚が認められていないのだろうか。 ※この記事は、熊本県民テレビとYahoo!ニュースの共同連携企画です。
KKT熊本県民テレビ・藤木紫苑