U-17W杯で4戦4発の離れ技から4か月後――プロ注目の高岡伶颯が掲げた目標「全国の舞台でも代表でも、ぶっちぎれるように」
西川と1対1「止められまくった」
浦和では酒井宏樹に驚かされた。同時期に参加した名和田も酒井のタックルに舌を巻いていたが、高岡も同様の感想を持ったという。 「海外基準のスライディング。若い頃にブラジルに留学していたからかもしれませんが、とにかく質が高い。音が違っていて、“ガリ”、“ゴリ”って鳴るぐらいで。上から乗ってくるような迫力があって凄かったです」 ノーファウルで深く抉ってくるタックルは、高校年代ではなかなかお目にかかれない。そうした体験ができたことは、今後のキャリアを考えれば間違いなくプラスになった。 また、GK西川周作にも刺激を受けたという。 「あの人に僕は1対1を止められまくった。もちろん多少は決められたけど、本当に凄い。トップトップの選手と戦えて幸せだった」 上には上がいる――。こうした経験が原動力となり、高岡をさらなる高みへと導く。2月20日に幕を閉じた九州新人戦では、高校選抜の活動があった影響で決勝トーナメントからチームに合流すると、持ち前の豊富な運動量を武器にチームを3位に導く活躍を見せた。ただ、プロの世界を知った高岡は現状に満足していない。 今年は進路を決めるだけではなく、U-20ワールドカップの1次予選に相当するU-20アジアカップ予選も秋に控えている。世界に再び打って出るべく、技を磨いてどこまでレベルアップを果たせるか。 日章学園ではキャリア初のキャプテンに就任し、日本一のためにやるべきことは多い。代表でも自チームでもやるべきことは山ほどある。持ち前の明るさと積極的にトライする姿勢は今も昔も変わらない。注目を集めるアタッカーの一挙手一投足に今後も注目だ。 取材・文●松尾祐希(サッカーライター)