原油先物上昇、2カ月ぶり高値に接近-原油在庫大幅減少の兆候で
(ブルームバーグ): 原油先物相場はアジア時間3日の取引で上昇し、2カ月ぶり高値に近づいた。米原油在庫の大幅減少の兆候が材料視された。
北海ブレント先物は2日に0.4%下落した後、アジア時間3日に小幅上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)も反発して1バレル=83ドルを上回った。
事情に詳しい複数の関係者によると、米国石油協会(API)は先週の米原油在庫が920万バレル減少したと報告した。公式データで確認されれば、これは1月以来の大幅減となる。
原油価格は今年に入って堅調に推移しており、株式市場でリスクオンムードが広がっていることが先物相場を下支えしている。地政学的リスクも顕著で、投資家はフランスと英国の選挙を注視している。中東ではイスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの戦闘激化が懸念されている。
オーストラリア・コモンウェルス銀行のアナリスト、ビベク・ダール氏は「石油市場にとって最大のリスクはイスラエルとヒズボラとの戦闘がより広範な紛争に発展することだ」とし、「特にイスラエルとヒズボラとの紛争にイランが直接関与した場合、イランの石油供給と関連インフラが危険にさらされる可能性がある」と指摘した。
シンガポール時間3日午前11時29分(日本時間午後0時29分)現在、北海ブレント9月限は0.6%高の1バレル=86.72ドル、WTI8月限は0.5%高の83.23ドル。
原題:Oil Trades Near Two-Month High on Signs of US Inventory Drawdown(抜粋)
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Yongchang Chin