ビットコインチャートがダブルトップを形成。5万ドルまで下落する可能性も:テクニカル分析
ビットコイン(BTC)のチャートはダブルトップのパターンを形成しており、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の金利動向に影響を与える可能性のある重要なデータの発表を前に、今後の弱気トレンド転換を示唆している。 ビットコインの価格推移は、今月はジェットコースターのような動きだった。3月の史上最高値に迫る7万ドル近くまで急騰した後、現在は6万1000ドル台まで下落し、ナスダックの上昇基調から切り離されている。これは主に、マイナーによる売却の加速、投資家による最高値付近での利益確定売り、アメリカの現物ETF(上場投資信託)からの資金流出によるものだ。 値動きはダブルトップを形成しており、これは2つのピークと谷間からなる弱気なテクニカル分析パターンで、通常、顕著な上昇トレンドの後に現れる。2つ目のピークは上昇トレンドの限界を表しており、2つのピークの間に設定された安値を最終的に突破することで、弱気なトレンド転換が確認される。 「テクニカル的には、ビットコインはダブルトップを形成しているように見える。一方で、サポートレベルが試されている。このチャートの形が有効である限り、5万ドル、場合によっては4万5000ドルまで下落する可能性もある」と、10xリサーチ(10x Research)の創設者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は述べている。 「確かに、今年の後半はアメリカ大統領選挙と消費者物価指数(CPI)が好材料となるはずだが、より大幅な調整が起こる可能性もある」とティーレン氏は付け加えている。 しかし、FRBが重視するインフレ指標である5月の個人消費支出(PCE)価格指数は、コア指数で3年ぶりの最も緩やかな月次上昇率を示すと予想されている。これにより、9月からのFRBによる利下げが確実になり、ビットコインを含むリスク資産の下支え要因となる可能性がある。 「最近の好調な経済データは、6月21日に(債券の)利回りを上昇させ、貴金属価格を下落させた。これは、暗号資産(仮想通貨)のようなデジタルハードアセットの妨げになっている」と、アンバーデータ(Amberdata)のデリバティブ・ディレクター、グレッグ・マガディーニ(Greg Magadini)氏は、CoinDeskに提供した週次のニュースレターで述べている。 「今週は複数のFRB理事が発言し、国内総生産(GDP)に続いて28日にはFRBが最も重視するインフレ指標であるPCEが発表される」とマガディーニ氏は付け加えている。 ブルームバーグの調査に答えたエコノミストは、PCE価格指数に大きな変化はなく、コアPCEは前月比でわずか0.1%上昇し、見出しとコアの両方の数値で前年比2.6%の上昇になると予想している。食料とエネルギーを除いたコアの上昇予測は、2021年3月以来最も小さいものになる。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:10x Research|原文:Bitcoin's Double Top Suggests BTC Could Fall to $50K: Analyst
CoinDesk Japan 編集部