バレー中田久美監督に聞く 課題の「攻撃力」どう点を取っていくのか
バレー中田久美監督に聞く 課題の「攻撃力」どう点を取っていくのか
バレーボール女子日本代表の中田久美監督は「知る」「土台を作る」ことに取り組んだ1年目シーズンの終わり、「東京五輪までを3段階とすれば、40%ぐらいは土台ができた。来季は70%ぐらいまで強化を積み重ねていきたい」と語った。「70%」へと上げていくために、2年目は何にどう取り組むのか。それは課題として露呈した「攻撃力」だろう。日本のディフェンスは世界に誇れるが、いくら守れても、バレーボールは点を取らなければ勝てない。世界相手に日本はどう点を取っていくのか? 補強したいと話していたエースのイメージは? 中田監督に聞いた。 【拡大写真と動画】バレー中田ジャパン「エース」の決意 古賀、石井、黒後、井上
始動会見で「常に攻撃参加できる状況を作って点数につなげていきたい」
昨季最終戦のグラチャンバレー、日本は6チーム中5位。敗れた中国、アメリカ、ロシアなど強豪との対戦では、ディフェンス面は大きく崩れることはなく善戦したが、セッターが前衛の(アタッカー)2枚時、サーブレシーブを乱された時などにローテーションを回すことができず、連続得点を許した。リードしていても逆転でセットを失う場面も見られた。攻撃枚数やバリエーション不足から攻撃がレフト1枚に偏ってしまい、そこで決めることができず、被ブロックも増えた。 そういったことから、中田監督は今シーズンの始動会見で、「基本的にレセプションアタックは世界で勝つためには最低限の武器とし継続して強化していきたい。ただ、昨シーズンの反省から、Bパス、Cパスとサーブレシーブが入らなかった時、セッターが前衛にまわってきた攻撃時の決定率。このあたりは、バックアタックを含めた攻撃の枚数を、常に攻撃参加できる状況を作って、点数につなげていきたい」と語った。 「ネーションズリーグ」(予選ラウンド5月15日~6月14日、決勝ラウンド6月27日~7月1日)、アジア大会(8月18日~9月2日)、日本開催の世界選手権(9月29日~10月20日)を戦う2年目、中田ジャパンが目指すバレーとは。
攻撃枚数を増やす、縦と幅を使っていく
──1年目は「土台を作る」「みんなを知る」「守備(レセプション)面の形を作る」ということで40%の完成度だったのではと見ていました。今季は攻撃面により踏み込んでいかれるのではと。中田ジャパンはどう点を取っていきますか? 中田監督:レセプションアタックはやはり武器なので、(サーブレシーブで)Aパスが入った時はきっちり点を取りにいく。またトータルディフェンスで、サーブで崩して相手の攻撃を絞らせて、そこから確実に(ブロック)タッチを取って切り返す。方法はいろいろありますが、攻撃の枚数を増やす。前衛2枚の時や、(サーブレシーブが乱れて)B・C パスになった時にも攻撃枚数を減らさないこと。縦と幅はやっぱり使っていかないといけないですね。 ──そのためにキーとなるのは? 中田監督:1本目のサーブレシーブは武器として持っていなければならないので、その精度はより高めていきたい。逆に切り返して点数につなげる、相手に不利な状態で攻撃させるためには同じく1本目のサーブがすごく大事になると思います。 ──バックアタックに積極的に取り組まれていますが、本数を増やす意識だけでなく、テンポも速くなっているのですか? 中田監督:そうですね、速いかな。高速というわけではないですが、考えたら速いテンポのバックアタックの方がいいのかなと。 ──中田監督はセッター時代、前後を絡め複雑に攻撃を組み立てていました。前衛を絡めながら真ん中、ライト、レフトから複数バックアタックも……そんなイメージですか? 中田監督:そうですね。日本は束になってかかっていかないといけないので。