東京のハローキティ展にグッズ「転売ヤー」の中国人グループ殺到 企業が対応に苦悩
人気キャラクター、ハローキティの誕生50年を記念して開かれている東京国立博物館(東京・上野)の展覧会に、公式グッズの転売が目的とみられる中国人グループが殺到している。SNSでは、大量に購入した商品の画像や、係員の制止を振り切って会場に入場する様子を映した動画などが投稿され、中国人に人気のフリマアプリでは出品が相次いでいる。「転売ヤー」は組織化され、商品の流通に大きな影響も与えており、企業は対応を迫られている。 【写真】「ハローキティ50周年」特別号外にファン「額に入れて飾りたい」 展覧会「Hello Kitty展 -わたしが変わるとキティも変わる-」の開幕日となった1日には、会場前に多くの入場者が列をつくった。SNSには現場の混雑ぶりを撮影した動画が相次いで投稿され、中には購入した大量のグッズを道端に並べた画像などもみられた。 展覧会は令和7年2月24日まで開催する予定で、当初は1回の会計当たり50点までの個数制限を設けていた。しかし、X(旧ツイッター)では「50個は多すぎる」「大好きなキャラだからこそ本当に好きな人に買って欲しい。大事にして欲しい」などの指摘が殺到。サンリオは「ご来場いただいたお客様へ多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。 サンリオはグッズ売り場を完全入れ替え制にするなど運営方法を見直し、グッズの購入制限も30点までに変更した。一部の商品は受注販売も検討するとした。 ■広がる海外人気が背景 日本のキャラクターが海外で高い人気を集めていることを受け、転売ヤーの事情も大きく変化しつつある。これまで、転売はどんなに高値になっても手に入れたいというコアな愛好家をターゲットに、比較的高価な限定商品を買占め、一般の消費者が手を出せないほどの高値で売るケースが主だった。現在はSNSで買い占めをする協力者を募集するなど、転売ヤーが組織化。今回のようなイベントの限定商品だけでなく、ファストフード店のおまけやコンビニエンスストアのくじなど、安価な商品でも大量購入するようになっている。 国内の愛好家より、海外向けの転売も目立つようになった。転売に詳しいニッセイ基礎研究所の広瀬涼研究員は、「ディズニーランドのグッズでも同様のことが起きている」とし、「(転売の利用は)熱心なファンだけでなく、一般消費者にも広がりつつある」と分析する。