山口智充「僕は今、やりたいことやってます」―― なぜ縁もゆかりもない名古屋で活躍しているのか
『ワンナイR&R』(フジテレビ)など数々の人気番組に出演していた「ぐっさん」こと山口智充。ものまねや歌という特技を生かして全国ネットのバラエティー番組を席巻していた。 そんな彼が現在、力をそそぎ、大切にし続けているのが、名古屋のローカル番組『ぐっさん家 ~THE GOODSUN HOUSE~』(東海テレビ)だ。大阪で生まれ育った山口は、縁もゆかりもない名古屋という場所に何を見いだしたのだろうか。番組に密着してその思いを聞いた。(取材・文:ラリー遠田/撮影:古川義高/Yahoo!ニュース 特集編集部)
ときには「ラーメン店に並ぶだけ」の番組になる
『ぐっさん家』は2003年に始まって以来、17年の歴史を誇る人気番組。「ぐっさんの名古屋での生活を覗き見する」というコンセプトで、実在する名古屋市内のアパートに住んでいる設定だ。山口はそこを拠点にして、東海3県のさまざまな場所を散策する。 土曜の18時半という放送時間ながら、2ケタ視聴率を頻繁に獲得。2013年には17.5%の視聴率を叩き出したこともある。今や名実ともに東海地方の名物番組となっている。この番組が生まれたのは、山口と親しいスタッフがきっかけだった。
「もともと僕が名古屋で別のレギュラー番組をやらせてもらっていて、その番組のディレクターさんと作家さんと3人でプライベートでもずっと遊んでいたんです。その2人が『遊んでいるときのぐっさんの面白さを、なんでテレビではそのまま出せていないんだろう?』ってよく言っていたんです。それで『自分たちがぐっさんの素の部分を出せるような番組を作ろう』と考えてこの番組が始まりました」
まずは「ぐっさんがやりたいことをやらせよう」ということになった。山口が以前「老舗の散髪屋さんに行きたい」と言っていたのを思い出して、散髪屋へ連れて行った。散髪の途中で山口がウトウトして眠ってしまうところも定点カメラで映していた。髪を切った後は喫茶店に行ってクリームソーダを飲んだ。