ワッキー「後遺症で長生きしない」覚悟で抱く使命 中咽頭がん手術から4年、嚥下や発声に不自由が残る
お笑いもまだまだ頑張らないといけないけど、精一杯やってはきました。サッカーへの思いも全力でぶつけてきました。まだしっかりと「やった」感覚がないのが「Mother-」なんです。 「Mother-」に関しては「転がす」という表現を使っているんですけど、すごく力のある作品なので、誰かが最初のひと押しをすれば、大きな石が転がるように後は勝手に転がっていく。そして歌舞伎のように受け継がれていく。そう確信しているんですけど、まだそのひと押しができていないなと。
この状況だと、自分は笑って死ねない。そう思いますし、それくらい自分の中に大きく存在しているものでもあるんです。 ずいぶん話が重たくなっちゃったかもしれませんけど(笑)、今本当に僕が本当に思っていることばかりを伝えさせてもらいました。 ■明石家さんまさんからの言葉 以前、明石家さんまさんも舞台を見に来てくださって、その時に「感動した。実話やから心に突き刺さった。これは本物や!」と言っていただきまして、その言葉も許可をいただいてチラシに載せさせてもらいました。
あらゆる力もお借りして、そして僕のできることはすべてやって使命を果たす。簡単なことではないかもしれませんけど、今、その意味を強くかみしめています。 ■ワッキー 1972年7月5日生まれ。北海道出身。本名・脇田寧人。名門・船橋市立船橋高校サッカー部で先輩だったヒデと1994年に「ペナルティ」を結成。ワッキーのパワフルなボケとキャラクターに的確にヒデがつっこむコンビネーションが注目され、フジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」、CBCテレビ「ノブナガ」などで人気を得る。MBSテレビ「吉本陸上競技会」などでも活躍するアスリート芸人としても知られていたが、2020年に中咽頭がんが発覚し手術、治療を行う。ライフワーク的に取り組んできた舞台「Mother ~特攻の母 鳥濱トメ物語~」が来年も上演決定。東京・新国立劇場小劇場で3月19日から23日まで。出演は浅香唯、ワッキー、太田博久(ジャングルポケット)、安藤美姫ら。80歳以上の人を無料招待する企画も予定している。
中西 正男 :芸能記者