ワッキー「後遺症で長生きしない」覚悟で抱く使命 中咽頭がん手術から4年、嚥下や発声に不自由が残る
特段、人生観が変わるということはなかったんですけど、病と闘って勝ったという気持ちと後遺症が残りました。 ■後遺症はしゃべり芸にマイナスでしかない まずは味覚障害。そして唾液が出づらい。この2つが今もあります。お医者さんいわく、だんだん戻っていくパターンもあるけど、どうなるかはわからないと。 ただ、治療から4年が経っているんですけど、今でも治ってはいません。正直、すごくしんどいんです。芸人というしゃべる職業をしていると、ま、僕は顔芸だったり、動きが中心ではあるんですけど(笑)、それでもしゃべることも多い。その中で唾液が出にくいというのはマイナスでしかないんです。
日常会話レベルの声量でしゃべっていても、すぐに口の中がカラカラになってしまう。さらに喉の奥がカサカサしてきて、声帯が動きづらくなってきて声が出しづらい。よく喉が詰まるし、言葉もかんでしまう。 この仕事をしていると、これは本当に不便だししんどいんです。普段の食事でも、パンとかスナック菓子とか水分の少ないものだと飲み物で流し込まないと嚥下できませんし、日々つらさを感じています。 そういう不自由な自分と直面した時に、これはね、言葉にすると本当にそうなっちゃいそうで怖いんですけど、心の底で思うんです。「長生きしないな」って。
そう思うと、余計に“使命”という言葉の意味を感じますし、病気をしてから「ちょっとこれ、急がないとダメだな」と思うようにもなりました。 ■絶対にやるべき3つのこと 以前よりパワーも少なくなったので、絶対にやるべきことを3つだけ考えるようにしているんです。まずはお笑い。そして、お世話になってきたサッカーのためにJリーグを盛り上げる。そして「Mother-」を世に出す。 家族を大切にする。子どもが大きくなるまでしっかり頑張る。そういう部分は基本の基本であるとして、上乗せで自分がやるのはこの3つだと決めたんです。