アートビジネス社長がお守り代わりに持ち歩く、恩師・小山薫堂から贈られたものとは
師匠から教わった謙虚でいることの意味
「ヘラルボニーが企業姿勢として掲げるバリューは『誠実謙虚』。これはかつて薫堂さんからいただいた言葉が元になっています。新入社員時代、何もできなくて怒られっぱなしだった僕は、せめて年初の挨拶だけは誰よりも早くしようと、大晦日に薫堂さんへ『今後もお願いします』とメッセージを送りました」 すると元旦に返信が届いた。 「『若い頃はどれだけそのことができるかより、どれだけそのことを命がけでやっているかが評価の対象になります。誰よりも謙虚な人になりなさい。謙虚であればたくさんの人が知恵や情報を授けてくれます。我がゼミ生で一番の出世頭になってください』とありました。胸に響きましたね。ここから誠実謙虚という言葉を抽出して、我が身と会社の指針にしたのです」 人生を変えた大切な人との関係を象徴する、一生もののアイテムがこの名刺だ。松田氏は、ヘラルボニーで商品化しているカードケースに忍ばせ、常に持ち歩いている。 TAKAYA MATSUDA Steps in History 19歳|東北芸術工科大学入学、小山薫堂教授に師事 23歳|オレンジ・アンド・パートナーズ入社、プランナーとして仕事に携わる 27歳|本社を岩手県盛岡市に置き、起業 33歳|パリに子会社「HERALBONY EUROPE」を設立。海外展開をスタート 松田崇弥/TAKAYA MATSUDA ヘラルボニー代表取締役/Co-CEO。1991年岩手県生まれ。双子の兄・松田文登とヘラルボニーを創業。Co-CEOとしてクリエイティブ面を統括する。
TEXT=山内宏康