【頂上作戦から10年】工藤会の元組員が語る“当時”と“その後” 北九州市の街は今 4つの市民襲撃事件は最高裁へ
FBS福岡放送
全国唯一の特定危険指定暴力団、工藤会の壊滅を目指して最高幹部らを次々と逮捕した、福岡県警による頂上作戦の着手から11日で10年です。元組員は工藤会の組織についてどのように見ていたのか。頂上作戦を機に、大幅に組員が減った北九州の街の変化とは。 【画像】頂上作戦から10年 工藤会の元組員が語る“当時”と“その後” 北九州市の街は今 4つの市民襲撃事件は最高裁へ
■工藤会・元組員(50代) 「(野村総裁は)いわゆる、神みたいなもんですよね。ヤクザになると、親分が言うのは黒でも白と言われりゃ白って言われるぐらいなんで。結局、親分たちの親分になるんで。自分たちからしたら遠い存在。」 組織のトップについて“神”と語ったのは、およそ13年間、工藤会に所属していた50代の元組員です。野村悟総裁率いる工藤会。その拠点となる北九州市は当時、暴力団の恐怖に包まれていました。
■記者 「現場は騒然としています。事件があったのは小倉の繁華街のビル1階、火炎瓶のようなものが投げ込まれました。」 「事件があったのは静かな住宅街です。狙われたのは、地域の暴力団追放運動のリーダーの自宅でした。」
民間人が被害者となる凶悪事件が多発し、警察は2012年、工藤会を全国で唯一の特定危険指定暴力団に指定しました。 ■元組員 「(警察と工藤会が)あんだけ敵対しとるって言われて。本部にガサ(家宅捜索)が入ったりする時は本部から組に通達が入って、組から組員全員に電話が入ってくる。行ける人は行ってくださいと。捜査員が30人来ていたら1人に1人、2人つけるぐらいの人数をバタバタ集めて。」
長年、緊張関係が続いた中、転機は10年前に訪れました。2014年9月11日です。 ■記者 「捜査員たちが続々と工藤会最高幹部の家に入っていきます。捜査員たちが中に入って30分後、最高幹部を乗せたとみられる車が外に出てきました。」
福岡県警は、工藤会トップの野村総裁らを殺人事件に関与した疑いで逮捕しました。これが、警察の威信をかけて工藤会の壊滅を目指す頂上作戦の始まりでした。 1998年の元漁協組合長射殺事件、2012年の福岡県警元警部銃撃事件、2013年の看護師切りつけ事件、2014年の歯科医師刺傷事件。市民を狙った4つの襲撃事件に関わったとして、殺人などの罪に問われた野村被告。2021年の1審判決では「死刑」が言い渡されました。
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